会話ゲームの秘訣

 英語授業で行われる会話活動(あるいはゲーム)の中には、そのゲーム性を追求するあまり肝心の言語習得の意味合いが薄れちゃうことがあります。また逆にゲームをやらせていても全然ゲームとして成り立ってないモノもあって、バランスが難しいなぁと思います。

 特にいつも思うのが「自分と一致する人を探すゲーム」とか「犯人を見つけようゲーム」といったタイプの活動です。一番の問題は相手が見つかっちゃったらそれ以上活動しないということです。例えば「3つ質問をしてすべて答えが一致する人を探す」という活動だと、相手が1つ質問した時点で自分とはマッチングしないとわかったら、もうそれ以上質問をしたりしないでしょう。

 でも例えば過去形・過去進行形を使った会話活動を考えた場合、「犯人を探す」って要素は質問をさせる動機付けとしてやっぱり面白いから「仕組みそのもの」は活用したい、ということで、最近考えているのは、誰が犯人か犯人自身も知らないようにしちゃえばいいのでは、ということです。

  • まわりに人に質問をしてアリバイを集める。

(例)Were you at home yesterday?
   What were you doing at 5 p.m.?

  • 得た情報をメモしておく。
  • そのあとで「これが犯人です!」と犯人の情報を公表する。
  • 結果的に「犯人」と会話してれば「逮捕」とする。
  • 自分が犯人かもしれない、けどそれもご愛敬。

 これなら最初から犯人役を決めておく必要もないし、全員が平等に活動できるのではないでしょうか。生徒の答え方はカードにアリバイを書いて配ってもいいし、そもそも答えのパターンを2〜3パターンに絞っておけば、3つくらいの質問なら1/12〜20くらいの割合で犯人が存在することにもなるし。(もちろん教員やALTがサクラで犯人になる必要があるだろうけど)

 こういうのは会話活動というよりパターンプラクティスなんだろうけど、こういう橋渡し的活動がいかに意味あるモノになるかが、結構重要だと思ってるんです。だって英文読むだけでも、フリーで会話するだけでも面白くないもの。ちなみに今回のアイディアのもとはトランプの「ジジ抜き」。(笑) 鬼がわからないドキドキ感が素敵です。