古畑任三郎FINAL

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: DVD
 幕が降りるのは、やっぱり悲しいですね。10年以上続いた人気シリーズも今日で終わってしまいました。怒濤の2時間×3日連続は圧巻です。以下、話の中身にも触れますので、ビデオ撮っててあとで観ようって人はお気をつけください。

 1日目・2日目もすごかったけど、やっぱり今日の最終回が秀逸です。最後のダンスシーンで今日のタイトル「ラストダンス」を思い出しハッとしてしまいました。最後の犯人を脚本家にするあたり、三谷さんもすごく自分を意識してたのかもしれません。人気脚本家の派手な私生活のイメージをもうひとり(本当の三谷さん?)と対比的に描いてますよね。「目立ちたがり屋で恥ずかしがり屋」な三谷さんの矛盾した性格を2人の人間に分けて投影することで、ストーリーにも活かしちゃってます。さすが。

 トリックは今までで一番複雑です。1日目の「第2幕」みたいな作りもそうだけど、舞台作品のときのような手の込みよう。今回は気合いが入ってるのがよくわかります。

 毎回大物ゲストを犯人役に迎えてきたので、かえって苦労もあったのではないかと思います。例えば今回のイチローのように犯人が大物になればなるほど、パブリックイメージを考慮してあまり残酷な犯人にはできなくなるような気がします。(本人は「いいよ」っていうだろうけど、三谷さんが気を遣いそう) そうなると殺人の動機に酌量の余地を描かざるを得なくなります。最終回のように犯人が女性の時は古畑も特に複雑な顔を見せます。でも当然いかなる理由であれ殺人を肯定するわけにも行かないし。だからこそ「でも犯人は必ず捕まる」というセリフに、古畑(と脚本家)の決意のようなものを感じます。

 最後に1994年に放送された第1回(中森明菜が犯人)の後日談が最後に語られたので、ち感慨深かったです。シリーズへの愛着を感じますね。それだけではなく、ラストの「人は生まれ変われる」という言葉は、さっきのセリフと連動して「逮捕」というステップが過去や罪への「許し」ではなく、未来への「希望」として存在していることを伝えようとしているように感じました。

 DVD-BOX欲しくなるだろうなぁ。「もう増えない」と思うと、余計に。(^^;