英語教育改善のための処方箋 / 金谷憲

 名前はよく聞くけど、どんなことを言っている人なんだろう? ということで買ってみた東京学芸大教授の金谷先生の本。主として高校で英語を教えている人への提言がまとめられている。2002年の発行のため、紹介されている実践等に個人的には「新しい」という感じはしなかったけど、これから教壇に立とうとしている学生さんや教員一年目で「教科書どうやって教えよう?」と悩んでいる方々には、一定の「アドバイス」が得られるはずです。

 読んでいて面白いのは、「訳先渡し」や「教員免許更新制度」、「英語教員全員に対する集中研修」など最近の英語教育界でよく聞くキーワードがこの時点(2002年)で数多く登場すること。もっとも、金谷先生のお立場からすると「時代の流れを的確に読んでいた」というよりは、「先生自身が時代の流れをそうしむけてきた」ということなんでしょうね。

 amazonのレビューでは酷評してた方もいましたけど、「先生向け」に書かれていることを考えると、これくらいの内容、論理、資料で問題ないと思うんですが。個人的に恨みでもあるんですかね。(笑) ぼくは一度、生でお話を伺ってみたいですね。