教科書への書き込み

 本日、教科書が配布されました。国家予算から相当額をつぎ込んで無償で配られる教科書。大切に使って欲しいものです。

 ところで、英語の教科書の本文と本文の間のスペースに、ぎっしりと日本語か書いてる生徒をたまに見かけます。聞くと、みんな同じ塾に通っていて、どうも塾の方針でその行間に日本語訳を書かせているようなのです。うーん、いかがなものか?

 まず、その日本語訳を英文の真下に書かせる事自体は、昔からよくある手段ではあると思うのですが、2年生くらいになって長い英文が増えてくると、語順の違いから日本語訳が、そのすぐ上のフレーズに対応しているとは限らない、ということがおこりえます。

(例)
Every year, hundreds of sea turtles die from balloons and plastic bags.
毎年、たくさんの数のウミガメが風船やビニール袋が原因で死んでしまいます。

 太字にした部分の位置がずれてるでしょ。一番大事な動詞句が対応しないのは、どうかと思うのです。これで本当の意味で内容理解の役にたっているのでしょうか。

 また、そのページの概略を伝えたい、ということであれば別紙で訳を配ってもよいと思います。時間短縮にもなるし。それでも敢えて自分たちで書かせているということは、塾としては「自分の手で書かせる事」に強い意義を感じているようです。でもその日本語訳は、塾の先生が一方的に読み上げ、生徒はひたすら「写経」するだけのようです。しかもたいていの場合、学校の授業より1〜2レッスン先まで日本語で埋まってしまう事が多いです。それで「教科書もちゃんと教えてます」って謳ってるんですかね、その塾。

 授業では、教科書に音読する上でのポイント(ブレスやアクセントなど)や文法上の留意点など印を付けさせたいのですが、そういった生徒の教科書にはもはやそんなスペースがありません。昨年はとりあえずノートに英文を写させて対応しましたが、何で学校で使う教科書の指導にこんな気を使わなくちゃならないんだ!とも思います。

 そこで、今年度は教科書が配られた今日、生徒に予めお願いをしておきました。どうしてもソレ(日本語訳書き込み)やりたければ(orやらなければならないのだとしたら)、塾で教科書をコピーしてもらってそっちに書きこめ!と。だって教材費取ってるんでしょ、その塾? そして、そんなに教科書を扱ってくれるなら少しは音読指導もしてくれよ、その塾! 絶対「教科書音読シート」の方が役に立つはず。

 ということで、今年も「塾よりもわかりやすい授業(or役立つ授業)」を目指してがんばります。