COSMOS その1(はじめに)

 国語科の先生が「心の宇宙」という取り組みをされています。匿名で日頃考えていることやみんなに伝えたいことを書いてもらって、回収したものをパソコンで全部打ってあげて、みんなにフィードバックするというものです。匿名なのでみんな素直に思っていることを書いています。進路のこと、恋愛のこと、自分自身のこと。読んでいると、中学生も意外と真剣に考えているんだなぁと感心します。きっと彼らも仲間の文章に共感したり、驚いたり、焦ったり、ときには反発したりと、いろんな感情を抱くのではないでしょうか。

 自分の中には自分にも計り知れないほど大きな心(宇宙)がある。そして友達の中にだって、同じように「心の宇宙」が存在するんだ、ということを感じて欲しいです。きっとそういう意味が込められたネーミングなのだと思います。点在するたくさんの宇宙をつなげていく役割が、今の学校や我々にはあるのでしょう。

 もちろん、書き始める前には「個人攻撃やプライバシーの侵害をしない」など基本的なマナーを諭します。場合によってはプリントに記載しないこともあるでしょう。匿名である、という点ではネット上の掲示板に近いスタンスになります。教師は「管理人」になって、手動で書き込みをコントロールしているわけです。国語科では学年単位で取り組んでいますが、生徒数が多い学校ではクラス単位で取り組んでもいいでしょう。

 私自身はこの活動を学級通信で活用しています。学級作りのひとつの手法としてもおもしろい取り組みだと思います。おかげで道徳や学級活動で書かせる感想などにも「共感的な姿勢」や「違いを認める姿勢」が感じられるようになってきました。

 そして、今年はこのシステムを英語の授業にも取り入れ始めました。その名もCOSMOS(コスモス)です。詳しいやり方は明日以降ご紹介する予定です。お楽しみに。

 >>COSMOS その2(やり方)