競争原理と公教育(追記)

障害児童の答案、無断で抜き取り=昨年の学力調査でトップ校が−東京・足立区

 東京都足立区教育委員会が昨年4月に行った学力調査で、トップの成績の小学校が、情緒障害などのある児童3人の答案を保護者や区教委に無断で抜き取り、採点から外していたことが7日、分かった。この学校では他の不正も指摘されており、区教委は調査に乗り出した。学校側は児童の保護者に謝罪している。区教委が同日記者会見して明らかにした。(7月7日22時33分配信 時事通信

 公立の学校に競争原理を持ち込むと、こういうことが起こるわけですね。「学校バウチャー制度」なんか始まったら、なおさらこういう不正を試みる学校が出てきかねないですね。足立区はテスト結果を公表してるし、学校選択制ですから、校長は必死でしょう。少し前には「テスト結果に応じて、予算の傾斜配分をする」なんて言い出してたくらいですから。すぐに撤回してたけど。

 ちなみにこの学校、「間違った答えを書いてる生徒がいると、指さしして知らせてた疑惑」までかけられてるそうです。さらに昨年の問題をメモっておいて、生徒に繰り返し練習させてたなんて、涙ぐましい努力じゃないですか。(笑)その結果、区内44位から一気に1位に登りつめたそうです。

 あーあ、テストのためにだけ授業やるなんてやだなぁ。それだったら、塾講師になった方がよっぽど稼げるじゃないか。


(7月8日追記)

 こういう調査などを見るたびに思うのですが、その生徒たちが「学校の努力によってできるようになった」と証明するのは非常に難しいですよね。平均点が高くても、それは「もともと」かもしれないですから。「4月にBだった生徒が12月にはAになりました」といった伸びが、目に見えて測れるような仕組みがあれば別ですけど。まぁ、それだって保護者の皆様は「塾のおかげ」とおっしゃられるかもしれませんけどね。

 休日の午後、部活を終えてから提出率のチェックをしてみました。1年生より、2年生の方が提出率もよく、ノートもしっかり書けている。英語を使おうとする意識も高い。だとしたらそれは「教員の関わりの成果」と考えてもよいのでしょうかね。1年生も1年後には今の2年生のように学習に取り組めるようになってればいいんでしょ? よーし、がんばってみようじゃないか。

 そういうがんばりは、だれも評価してくれないわけですよね。