英語教員集中研修 8日目

講演・演習

 「新しい評価の考え方と進め方」 
    広島大学 教授 松浦伸和先生

 埼玉県は5年間毎年、松浦先生を呼び続けました。つまり埼玉県内の英語教員は全員松浦先生の話を聞いたことになります。これって結構すごいですよね。というわけで、前々から「こんな話をするらしい」と噂を耳にしていたので、少し構えていたのですが、松浦先生のキャラクターが想像とずいぶん違って、いい意味で笑えたので、思ったより楽しく聞けました。

 学習指導要領が掲げる英語科の「目標」に始まり、評価規準まで細分化していくお話を聞きました。それぞれの観点において、どんなことが求められているかを明確にすることができました。ん?でも、今更それを知って感動とかしてちゃ「ダメダメ教員」ですよね? こういう話って、指導要領が改訂されたときに、伝達講習とか、「各自読んどいてくださいね」とかじゃなくて、全職員に示されるべきだと思うんですけどね。

 午後は実際に問題作り。教科書のあるレッスンをモデルに目標と評価規準を策定。さらに、その力を測定する方法を考えます。しかし「穴埋め」や「並べ替え」はコミュニカティブではないということで、「ダメダメ問題」と烙印を押されちゃいますので、難しい。他の要素が入らないような問題を作るのって大変です。今回も一番前の席で講演を聴き、なんか張り切って手まで挙げちゃいましたが、そのちょっと前までうつらうつらしてたのは内緒。(笑)

 ところで、前にも書いたのですが、授業や学校での評価はこういう風に観点ごとに細分化されていくのに、高校入試の問題なんかはすごく「総合的」で「複合的」だったりするのです。このギャップに(特に3年生担当は)苦労しちゃうんじゃないでしょうか。その辺も質問してみればよかったなぁ。

 その他気になったフレーズをメモ。

 ○「正確さ(文法的にあっている)」と「適切さ(場面にあっている)」
 ○「流ちょうさ」は(高校でさえも)求められていない。
 ○1分間200語が心地よいスピード
 ○規準=切り口、基準=熟達度
 ○「文化」はいわゆる「国際理解」的な文化ではない。
  →言語やコミュニケーションに関わる文化
 ○「先生には答えが予想できない問題」を作ろう
 ○期末テストでスピーチをやった学校も
 ○宿題を授業の最初に示す
 ○7%はTOEIC900点をとらないと日本の未来はない
 ○いい授業=わかりやすい、テンポがいい、楽しい
 ○1回の評価は○か×でいい(意欲関心態度)

 帰り道、高崎線のホームで偶然お会いしたので、少しお話ができました。各地で講演されての苦労話が伺えました。気さくな人柄に触れられて楽しかったです。