- 作者: 山田宗樹
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さて、ずいぶん前に読みかけたまま放置してあった上巻をたまたま見つけて、冬休み中に読み直してみました。まぁ、覚悟はしていましたけど、テンション落ちる話ですね。(笑) 川尻松子という女性の転落人生を追いかけます。巻末の解説にもあるとおり、非常に「濃いドラマ」でありながら、ミステリー的な手法で視点を交互に変えながら、読者を引き込んでいく筆致がすばらしいです。あらすじだけ聞くと、とてもスラスラ読める話じゃないんですけどね。2〜3日で一気に読んじゃいました。
故郷の中学校で教師をしていた松子が、様々なしがらみから蒸発し、堕落の一途をたどるのですが、まぁ同業だからというわけでもないんですけど、妙な怖さを感じます。さすがに自分は10年近く教員を経験してきて、そんな失敗はしないだろうとは思うのだけど、なぜか怖い。そして、こういった職にあった人間は一度崩れると身を持ち直せない、ということを感じさせます。いや、もしかしたら、そうではない人生を敢えて選ぼうとするのかもしれません。(少なくとも、自分だったらそう考えてしまいそうです)
若い頃のエピソードだけ読んでいると、ずいぶん昔の設定のようにも感じます。でも晩年の松子が生きる時代は、まさに「現代」。このギャップが最初すごく違和感があったのだけど、そういう「激変の時代」がまさに「昭和から平成」という時代だったのかもしれません。そういう意味で、その2つの時代に生きている多くの人が、松子と自分の人生を重ねたり、比較しようとするのかもしれません。
中谷美紀主演で映画になっています。この機会に見てみようかとも思うのですが、年末年始に録りためたビデオの処理が、まずは先約か。もう時間がないんですけどね。
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