「教科書内容理解」再考 その2

 さて、どんな素晴らしい研究授業を見た後でも研究協議で飛び出してしまう「教科書って普段どんな風にやってますか?」という質問に正面から向き合う今回の企画。

 2年生の中期では、生徒に英語で説明させることを一つの目標に英語中心で授業を進めてきました。教科書音読シートの裏面に教科書の場面絵があって、それを既習の英語でがんばって説明するトレーニングをやってきました。表現する練習を通して内容理解を進める、という作戦です。でも2年生後半からは本文も長いし、教えておきたい文法項目や語法もたくさん、音読も難しくなってるし、扱う内容も文化的で多彩。いろいろやってあげたいけど50分の中で全部はできないと思うようになりました。

 それぞれの活動の50分の中での「必要度」を私なりに書き出してみるとこんな感じ。(ちなみに◎…絶対外せない、○…やらないとまずい、△…家庭学習に回してもいいかな、といった感じ)

No. 指導内容 必要度
1 単語の発音
2 単語・熟語の意味
3 新出の文法事項
4 語法
5 音読
6 本文内容の確認
7 文化的背景
8 和訳
9 TF(リスニング活動)
10 オーラルイントロ

 前回書いたようにオーラルイントロあたりは、やるなら授業じゃないとできないけど、どれくらい効果があるか微妙。すると「やるけど短時間で」という結論になるかな。「家庭学習に回せるものは家庭学習に」と絞っていくと、やはり音声的なものに絞られていきます。でもその場合、文法的なこととか内容理解(確認)的なことを、どうやって家庭学習とリンクしてサポートしていくかが課題になります。英語が苦手な生徒にとっては、日本語でのヘルプやプリントが心の支えになるでしょうから。

 短時間で語法や文法項目をチェックできるような授業プリントを作る必要があるんですけど、それを授業中にやらせちゃうとまた時間がかかる。宿題にすると、差がついてくる。このジレンマをどう解決するか。宿題をやってこないと「楽しめない」仕掛けを作るしかないですよね。(宿題をやってこないと怒られる、というのは嫌なんです) うーん、なんかいいアイディアないかなぁ。

 「訳先渡し」もひとつの手段でしょう。和訳をあまり(ほとんど)試験に出さないので、和訳をもらったから授業を聞かない、ということもないと思うので、可能ではあるのですが、和訳が一人歩きするのは避けたい。もちろん日本語との違いを意識させながら解釈の面白さも体感させたいけど、そういうのは高校にお願いするしかない。(中学でも少しはやっておけ、と言われそうですけどね)

 教科書音読シートの裏面をどう活用するか、がポイントになりそうです。みなさんの「優先順位」も聞いてみたいですね。

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