SETC&ASTEK5月のご報告

 「最近の私」では、I上先生が「脳科学」についての気になる話を。アイディアが湯水のように出てくる最新のノートの取り方の話です。現在、ご自身でも実践されているそうで、生徒にも試させた上で来月詳しくお話していただく予定です。楽しみです。

 私からは「でそ単」の使い方について。今回「セルフでそ単」を発行し、少しずつ学習を生徒達の手にゆだねるようにしていきました。これも詳しくは、別のトピックで書きたいと思います。お楽しみに。

 さて、本日のメインは「英語教育にもの申す」の倫太郎氏。大量の資料とお土産を手に、わざわざ春日部まで来てくださいました。まず、そのことに感謝です。

 「リメディアルが必要な学習者に対する実践と課題」というタイトルでお話を進めてくださいましたが、第1部ではその前段として倫太郎氏がいかにしてリメディアル(再教育)の必要性やノウハウを考えるに至ったかを、自身の生い立ちを交えながらお話ししてくださいました。その中心にあるのが教育相談、教育心理学の膨大な知識。しかし決して頭でっかちにならずに目の前の子どもたちと向き合いながら実践を積まれてきたことがよくわかるお話でした。

 第2部では具体的に、英語が苦手なまま高校にやってきた生徒たちに、どうやって英語を教えていくか(学ばせていくか)を提案。第1部の背景をもとに、生徒たちが「これならできる!」と思える課題を積み上げていくことで、最終的には長めの英文も読めるようになり、英検などにチャレンジする生徒も増えてきたそうです。

 名詞句の「視覚化」から始まり、「英作文」ならぬ「英作句(笑)」など、スモールステップを踏みながら指導・支援している姿が目に浮かびました。文法をすごくシンプルにルール化してますが、この辺の分類は私のやり方にすごく似ていて共感しました。いただいた教材はさっそく中学生に使ってみようっと。

 今回、倫太郎氏のお話を聞いて思ったのは、中学校英語教師の責任の重さです。わからない生徒にとっても英語授業の50分は同様に存在するわけで、彼らにただ我慢をさせる時間にしてはいけないよなぁと痛感しました。一部の高校に於いてはいずれにしてもリメディアルは必要なのかも知れませんが、せめて心的バリアだけでも取り除いて「英語?嫌いじゃないよ」と思わせて高校に送り出してあげないとなぁと思いました。

 さて、この度お話をしていただいた倫太郎氏は本当に興味深い方です。参加者の多くがその不思議なバランス感覚に驚いていました。オンとオフ、実践と理論、硬と軟を軽妙に切り替えながら取り組まれている姿がかっこいいです。「仕事ばっかりじゃつまんないじゃないですか」とはおっしゃりますが、「この人、仕事好きなんだなぁ」と思わせます。(笑) 今回は遠方よりお越しいただき、本当に感謝感謝です。

 そして、今回はこの「英語教育2.0」を遠く香川県でお読みになっていたという先生もご参加。現在は東京で教壇に立たれているそうですが、いろんな出会いを生み出してくれるネットワークにも感謝、感激の一日でした。