生物と無生物のあいだ / 福岡伸一

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

 中学の頃からの筋金入りの「理科嫌い」なぼくが思わず手にとってしまったのはこのタイトルのせい。少しだけ大学時代のテーマともつながってる気がしたんです。静と動。とはいえ駅前の本屋で「どうせ車内で読む本ないから」と半ば無理矢理選んだ一冊。

 そしたら面白い。読ませます。もちろん遺伝子に関する研究の歴史や仕組みがとくとくと語られているんだけど、そこに常にドラマがあり、哲学がある。この人の筆致がいいんだろうなぁ。遺伝子に関する重大な発見や失敗が、今まさにリアルタイムに起きているかのように、その当時のその人たちの喜びや悲しみを共有させてくれます。

 完全文系な私でも十分楽しめる一冊。高校時代の生物の授業を思い出しちゃったよ。デオキシリボ加倉井。すっかり用語にも詳しくなって、この間なんか理系のお仕事をしている人と「PCRマシン」について語り合ってしまったり。(笑)

 身の回りにある「生物らしさ」が気になるようになり、自分がその中に存在していることを感じるようになりました。科学って哲学だなぁ、と思った一冊。高校時代くらいに読んでいたら、意外と理系に進んでいたかな?(それはないな)

#本日のBGM:あいたくて(Monkey Majik