私立高校雑感

 出張で、隣県にある私立高校の教員向け説明会に行ってきました。うちからは毎年数人お世話になっているところで、某大学付属ながら受験にも力を入れている大規模校です。教員向けの説明会って初めての参加なので、ちょっとドキドキ。

 さすが私立高校!なおもてなしで、資料もたくさんいただいてきました。昨年は東大の入学式の総代まで出したということでやや鼻息が荒かったです。受験に向けて、コース設定の見直しや奨学生制度の充実などをしたそうです。大規模校なので校内でもレベルの差がかなりある。こんだけ違うと別の学校だよなぁと思いつつ、(やや)地方の私立で周りにあまり学校がなかったりすると、こういういろんなレベルへの対応が求められるんだろうなぁ。

 とはいえ、「東大!東大!」「補習!」「勉強合宿!」なんてのをずっと聞かされていると、なんだか気が滅入ってくる。え、この学校までそんなラインに乗ってしまわないといけないのか?なんて考えてしまいます。どっちかっていうと、付属のメリットを生かして部活がんばる学校だと思ってたのになぁ。私立は、そうやって受験に特化していかないとやっていけない時代になってしまったんだろうなぁ。もう少し近所の私立高校も、10年前とはまったく別の学校になりつつあるもんなぁ。みんな東大を頂点とするタテ軸の中に(しかもできるだけ上の方に)収まろうともがいているみたいに見えます。

 そこへいくと、我が母校は素敵だなぁ。この時代に、私立のくせに「偏った集団は作りたくない」と入学時には「特進」「選抜」などのコース別は一切設けず(さすがに2年生から理系・文系には分けるようにはなったみたい)、中学からの内部進学者と高入生もあっさり混ぜちゃうし、中学生と保護者対象の説明会では校長が「大学入試の結果だけが教育じゃないですからね。うちはK智やK栄とは違います」と言ってのけてしまうし、なかなか奇特な学校です。まぁ、偏差値と進学実績が比例しない学校ではあるけど、ぼくは本当に楽しかったなぁと今でも思うのです。そういう学校も、あってもいいよね。(なんか、あっちゃいけないような空気を感じるのですよ)

 日本の高校がおもしろくなくなっちゃうなぁ、と感じるのはぼくだけでしょうか。実際に働いていらっしゃるみなさんは、どんなこと考えて(感じて)いるんだろう?