ネタづくりの基本

 おかげさまでPodcastの方もご好評頂いております。生徒も楽しんで作ってますので、聞いてくださる方が楽しんでもらえればさらにうれしいです。(実際に中学生に聞かせていただきたいです)

 Podcastだけでなく、スピーチの原稿作りにも共通することですが、私は原稿の中に「おもしろいこと」「笑えること」を入れるように日頃からこだわって指導しています。人を泣かせるスピーチを書くのは難しいけど、笑わせるスピーチならなんとかできる。そして聞いている人たちに笑ってもらえたら、「自分の英語がわかってもらえた」ことを実感できるからです。

 なので、私がPodcastの原稿をチェックするときは「面白いかどうか」だけを見ています。(笑) 英語的なチェックはALTにおまかせです。生徒が勝手に「ボールペンも消せる消しゴム」のCMを作って持ってきた時も、「あり得ないものも消せたら面白いね」とだけアドバイス。すると生徒は「悲しい記憶」「嫌いな人々」まで消せる「何でも消せる消しゴム」を作ってきました。おもしろい!合格!

 こうやって、コント集団を育てているんですね。(笑)

 生徒は、ヒントを与えるとこちらが想像もしないような面白いことを考え出す力があります。今回は2人組で活動してますので、個人の力だけでなく相談の中から面白いものがうまれてきています。(今回の「スーパー鉛筆」は私の入れ知恵なしですから)

 基本的に私がネタの発想法の基本にしているのは、小学生の時に読んだ漫画の入門書「まんがのかき方全百科」です。藤子不二雄監修、方倉陽二(「のんきくん」作者)執筆という不思議な一冊です。もう絶版になってますが、そこにはとても子ども向けと言えないほど本格的な「ネタづくりの基本」が紹介されていました。

 その中で「置換」「誇張」「逆転」「連想」という4つが登場します。

 「置換」は設定を置き換えてしまうこと。消しゴムが靴墨になってたらどんなことが起こるか?などと考えます。似ているもので置き換えるのも面白いですけど、全然関係ないものだとさらに笑えます。

 「誇張」はそのまま。今回の「何でも消せる消しゴム」はまさに「誇張」の好例ですね。「ありえないこと」まで極端にすることで笑えるようになるということです。

 「逆転」は関係性を入れ替えること。「消しゴムで字を書いて、鉛筆で消す」とか「蟻が人間を踏みつぶす世界」とか。笑い以外の世界にも発展できそうですね。

 「連想」は自由に発想を広げる方法。消しゴム→白い→豆腐 と考えて、「消しゴム型の豆腐」とか。「豆腐型の消しゴム」とか。ネタに困った藤子不二雄氏は目の前にあった「おきあがりこぼし」からドラえもんを思いついたと言われています。

 方法を示すことで、生徒はさらに「やわらかアタマ」でいろいろ創り出していってくれると思います。次回の収録が楽しみです。