歌をください

 文化祭が終わりました。

 ホントにヘロヘロです。でもみんなよくがんばりました。特に生徒会のみんなは、自分たちで考えて動いてくれました。そういうのって、大事だなぁ。スピーチ作りの時にも思ったけど、教師がモデルを示したり、ある程度線路を引いてやるのと、生徒に自分で考えさせたり、思いを活かしてあげるのは、バランスの取り方が難しいです。いいもの(あるいは教師が「いい」と考えているもの)を作ろうとすると、つい口(や手)を出し過ぎてしまいます。こっちの思いは伝えつつ、生徒にそういうものを「いい」と感じてもらう必要があります。

 例えば、合唱コンクールでは、各クラスの発表前にクラスの意気込みや曲のイメージを伝えるプロモーション・ビデオを作成して、放映しています。1分程度の映像ですけど、寸劇で練習の様子を伝えたり、練習風景を撮したり、みんなで「いくぞー!」と叫んだり、いろいろ工夫をしています。ただ全体としては一発ギャグやコントものに流れる傾向があって、それはそれで工夫していて面白いんだけど、企画を始めたこちらの意図としてはもう少し「かっこいいもの」を作らせたいとも思います。

 そしたら今年は、うちのクラスの実行委員が「真面目なビデオにしたい」と言い出したんです。歌詞の意味を考える道徳や学活を通して、「この歌にふさわしい映像にしたい」と思ったそうです。合唱曲「聞こえる」を意識して、最初は「ベルリンの壁崩壊の映像に自分たちの歌を重ねたい」って言ってたけど、それはちょっと(技術的にも)難しい。で、いろいろ考えて作ったのが、

・黒板に「耳をすませてください」の文字
・全力で歌う自分たちの姿(顔アップ) ただし音なし
・黒板に「聞こえましたか?」の文字
・全員でかけ声

 という作品。中学生の目にどう映ったのかはわからないですけど、これ、結構かっこいいですよ。個人的には、すごくうれしかったんです。歌に対して(あるいはコンクールに対して)そういう気持ちが芽生えてくれているんだなぁと思って。こういうのもいいね、と思ってくれた後輩達が、来年「自分たちも」と思ってくれればさらにうれしいです。

 前日にもドラマあり、朝からサプライズがあり、本番もハプニングあり。行事って大変だけど、面白いですね。