年末から読んでいた内田樹氏の「街場の教育論」読了。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2008/11/15
- メディア: 単行本
- 購入: 21人 クリック: 114回
- この商品を含むブログ (128件) を見る
グローバリゼーションへのアンチテーゼを掲げ、日本の経済・産業界(そして時に政界)が意図的に創り出したモジュール化した社会が、学校教育を難しくしているということを訴えています。もちろん内田氏の論旨から言えば、何事も原因なんてものはそんな単純ではないのだろうけど、そこに目を向けずに問題を語る人が多いことはやっぱり問題でしょう。(そもそもそういう人たちが教育問題を語ってるからね、最近は)
前にも書いたけど、ケータイを学校持ち込み禁止にするんだったら、ケータイ会社は学割プランで契約したケータイは平日の日中は使えなくするくらいの対策をして欲しいよね。というか、プランを出すなら知事様もそれくらい訴えてよね。中学校は元々持ち込み禁止なところがほとんどだろうからそれほど問題ないけど、高校の現場は本当に難しいと思いますよ。ケータイのおかげで、どれくらい生徒指導がややこしくなったことか。
ま、そんな愚痴はさておき。
第8講の「いじめの構造」で語られる学校教育の存在意義や役割を読んでいると、「学校の常識は社会の非常識」という言葉に懐疑的だった自分にとっては、背中を押されるような気持ちになりました。学校のことは、もう少し学校に任せてみようよ(=家庭や社会のことは、もう少し家庭や社会でもなんとかしようよ)、と思います。
後半の勉強と就職(労働)の話や宗教教育の話も、いわるゆウチダ節満載で、本当に講義を受けているような気分になりました。学生時代に広告批評を通して橋本治を読んだときもそうだったけど、「へぇ〜」と思うとすぐにかぶれちゃって受け売りなことばかり口にしてしまう私なので、もう少しいろんな人の本も読みながら、自分なりに咀嚼して、吸収していきたいですね。と言いつつ、「橋本治と内田樹」なんて本も出ちゃったから、思わず買ってしまい、次はそれを読むんだけどね。
- 作者: 橋本治,内田樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/27
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (50件) を見る