点数化できないもの

 某訪問でした。

 ぼくは公開授業だけでしたので、今年は気が楽でした。生徒もよくやってくれました。ちなみに1年生にbe動詞三単現のisを導入→練習。いわゆるインタビューからレポーティングの活動。be動詞にしぼってやってみたけど、思ってたより手間取ってましたね。ペアワークだと、生徒の定着度を測りきれないのが課題。まぁ、次回のライティング課題で少しは見えてくるかな。

 それより、見に行った研究授業がおもしろかったです。3年生の社会科の授業でしたが、ただ知識を伝達するだけでなく、生徒が自分で考える時間やそれを発表する時間、学んだことを整理する時間が設定されていて、(当たり前だけど)どの教科の授業も、自分が授業を受けていた頃とはずいぶん様変わりしているんだなと実感。

 指導者から「参観している同僚の表情」をほめていただいたことが、今の職場環境が何より素敵なことを物語っていますね。ぼく自身、生徒と一緒に授業を楽しんでました。

 これで諸行事も一段落。あとは月末の文化祭に向けてまっしぐら、といったところ。ああ、でも生徒会選挙もありましたね。まだ立候補者が出そろっていないのが心配。

 県教育委員会は今回の入試制度改定で、「特別活動の記録を得点化」し、しかも「各学校がその基準や配点を公表」することにしたので、ちょっと現場でも心配事が増えています。今度の入試から、それぞれ各公立高校が「生徒会長は10点、その他の役員は5点プラス」などと加点要素を予め発表しているんです。特別活動主任で、生徒会活動などを預かる身としては、正直勘弁して欲しいです。

 たぶん、こういう状況になってしまったので、いわゆる「内申点狙い」で生徒会に立候補してしまう人も出るでしょう。(そして、そういう子は実際に働いてくれない心配もあります) また一方で、力や志があるのに、そういった風評を恐れて立候補してくれない人が出てくることも心配です。もちろん、そんなことはこれまでもあったことではります。でも、具体的に数値が示されてしまったことで、これまで以上にリアルに刺激されてしまうような気がしています。

 もちろん、生徒会の仕事をしたために得られるメリットは、そんな数値では計り知れないものです。入試のことだけを考えるなら、はっきりいって生徒会なんかやらないで、帰って家で勉強でもしていた方が、成果が上がるでしょう。それでも自分たちで考えて、人を動かし、見えないところで働いて、そういうプレッシャーに負けずに仕事する中で、人間として成長していけるはずなのです。

 まぁ、ぼくとしては、立候補して選ばれてきた精鋭たちと一緒に、新しい何かを創り上げていく楽しみを奪われたわけではないので、また一日一日がんばるのみです。