入試ライティング問題考

 埼玉県は公立高校の後期入試。

 今年度から入試制度が変わり、前期試験(5教科)で定員の7割、後期試験(英国数)で3割取るようになりました。だから、後期は狭き門。全日制の後期平均倍率1.87倍ですからね。志願先選びにもなかなか知恵が要ります。日程が遅くなったのも、諸々の卒業行事を考えると大変イタいです。

 さて、そんな話題の後期入試の問題が届いたので、さっそく吟味。

 ん? 前期とほぼ同じ構成じゃないですか。とりあえず同じスタイルで2つ問題作ってみたんだな。まぁ、作る方も大変だよね。そんな問題を全体的に眺めてみたい方は、東京新聞の入試問題データベースが便利です。

 で、やっぱり気になるのは最後のライティング問題。後期はこんな感じになりました。
 

 
 ちなみに前期はこんな感じでした。(再掲)
 

 
 いや、前期のキーワード"subject","because","than"はそれなりによかったですよ。今回の2年生の期末テストで同じ問題を出してみたけど、確かにこのキーワードを全部使おうとすると、それなりに「論理的な」というか「流れのある」文章ができあがります。"becasue"の働きが大きいですね。

 でも今回は"if"です。

 これだとただ単に「複文」を書かせたいだけなのかな、と思えてしまいます。5文を有機的につないでいくという意味では、あんまり効果的ではない気がするんです。仮定法的な文を書こうとしてドツボにはまりそうな子もいそうだし。

 そして、気になったのは"for"の使い道。これって、どう使えばいいの? "for example"とか"look for"とか中学生が知っている(使える)表現を引き出したいのかな。それとも"for me"とか" for many people in the world"という意味で使って欲しいのかな。いまいちピンときません。そもそも前置詞をキーワードにする意味がよくわかりません。

 そして一番悩んだのが、「以前見た夢」という問題文の言葉。

 これって、眠ってる間に見る「夢」のこと言ってるの? それとも、「昔抱いていた夢(目標)」ということを言いたいの? まぁ、どっちでも話が成立していれば×にはならないんだろうけど、もし後者だとすると、かえってわかりにくくしてしまっている気がします。(ぼくは前者もアリなんだと思うんだけどなぁ)

 同じ形で2問作ろうとしたために出てきた「ムリ」なんだろうなぁ。リーディングセクションなんかでも、同様な違和感を感じます。2年後にはどうせ「一本化」されちゃうんでしょうけど、この形でしばらくいくのでしょうね。練習が必要ですね。