年度末のお忙しい時期ということで、参加者は少なめ。それでもいつものメンバーが集まってくれました。
今回は英語教育をちょっと離れて、心理学の世界に。特別ゲストで心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏をお迎えしました。とご紹介すると大げさですけど(いや、肩書きは間違ってないんですけど)、実はこの方、ぼくの大学時代からの友人なのです。そんなご縁で今回は特別に来てもらいました。
自己紹介タイムは半ば「最近の私」ならぬ「最近の私の娘」コーナーになってました。赤ちゃんがしゃべり出す瞬間など「0から1になる感動」も素敵なんだけど、まだしゃべることも、意思表示すらできない頃の「0であることの違和感」の方が興味深かった、という氏の言葉が印象的。自分のお子さんに対するまなざしも、どこか客観的なのが面白い。
本題に入る前の「出版業界の今とこれから」って感じのお話が、個人的には非常に興味深かったです。iPodによって、音楽がCD(レコード)からネット配信に移行して、CDよりライブでお金を得るビジネススタイルに移行しつつあるのと同じように、出版業界も、書籍そのものはiPadやKindleなどに電子書籍として配信し、著者は講演会やセミナーといった「ライブ」でお金を得ることが一般的になる時代が来るのでしょうか。作家という人たちに求められる資質やスキルが、まったく変わっていくでしょうね。今後に注目です。
さて、話は「先送り」の3大要因について。佐々木氏は、いろいろある要因を「怖いこと」「疲れること」「やってやるもんか(笑)」の3つに集約し、それぞれの心理状況を具体的に解説してくれました。中でも「怖いこと」「疲れること」が、「先送り」を生み出しているということです。だから、先送りされがちなことに対するハードルを下げて上げることがポイント。その解決策が、氏が書籍の中でもよく提案しているように「記録すること」「見積もること」なのでしょう。
タスクシュートの画面を初めて見た方々は、やっぱりちょっと引きます。(笑) でも、あそこまでやらなくても、記録や見積もりによって、自分を知ることで、作業効率が大きく変わっていくことは、実感できるのだと思います。
ぼくはこの手の話を聞くといつも、「効果的なテスト計画表づくり」や「夏休みの宿題を計画的に終わらせること」に話を置き換えてしまいます。学校現場での指導に生かせそうな気がするからです。でも、佐々木氏も言ってましたけど、学校ではそういうことを教えてくれない。だからもともとそういうスキルを持ち合わせた子と、そうでない子の間では、学習パフォーマンスが大きく変わってくる。
「受験」「学歴」というものが、その時期における学習パフォーマンスの差でしかないことを考えると、そういう知識やスキルが整理されつつあるのに全然教えずにいるというのは、フェアじゃないような気がします。だから、学校も、そういう広い意味での学習スキルをちゃんと教えようよ。特に公立学校ではさ。
そんなお話を聞いている内にあっという間に時間に。
今回はぼくがプロジェクターの電源コードを忘れてしまい、ずいぶんご迷惑をおかけしてしまいました。そういうそそっかしさも「大学時代と変わってないなぁ」と思われてしまったかもしれませんね。でも久しぶりにお会いできて、個人的にはとっても楽しかったです。
今回のゲスト、佐々木氏の近著はこちら。ブログへはこちらからどうぞ。
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