大学院派遣への道(その1)

 さてさて今日は書くことも特にないしいろんな人からお問い合わせもいただいているので、今回ぼくが大学院に来るまでの経緯というか、手順を少しずつ書いていこうと思います。

 まず、大枠については以前にも書きましたが、ここ数年でシステムが少し変わってきてるので改めて書いてみます。埼玉県の公立小中学校教員が研修として大学などに行く方法は大きく分けて以下の3つのパターンが考えられます。

(1)大学院派遣

 今回ぼくはこの制度で大学院に来ています。お給料をいただいている公務員の身分ながら、自分で入学金や授業料を納めて入学し、修士論文を書いて学位の取得を目指すコースです。一応2年間まるまる職場を離れる「2年研修コース」と、2年目は職場に復帰して週1日だけお休みをもらって大学院に通う「特別研修コース」があります。

 研修先は、埼玉大学文教大学鳴門教育大学上越教育大学、兵庫教育大学から選べます。ちなみに文教大学を選べるようになったのは数年前からで、それまでは埼玉大学に行く人は「特別研修コース」しか選択できない仕組みでした。(変わってよかった〜)

(2)長期研修

 いわゆる「長研(ちょうけん)」と呼ばれるのがコレ。有給で1年間職場を離れて大学や教育センターなどで研修を積みます。研修先をある程度指定できるので、(1)で指定されていた以外の大学で勉強したい人には素敵です。埼玉県からは例年東京学芸大学の金谷先生のもとで学ぶ方も多いです。

 学費はかかりませんが、書籍代や交通費、学会への参加費などはある程度かかるようです。また、授業を受けるだけでなくて、いろいろな方の授業実践を生で観に行かれる方も多いです。修士論文等はありませんが、研究報告を冊子やCD-ROMにまとめる方が多いです。

(3)教職大学院派遣

 えーっと、これについては仕組みがよくわかってません。最近できた制度です。1年間で結構アカデミックに勉強してくるようです。教科教育以外の枠組みで研究されている方が多いように思います。こちらについては詳しい情報が入りましたら、いつか加筆します。

 埼玉県が県として用意してくれている研修制度はこの3つです。ということは、例えば「東京学芸大学修士を取りたい!」というのは(制度上は)無理なんです。どうしてもそうしたいという方は、休職制度を利用したり、通信制や夜間の大学を選ぶことになりますので、可能ではありますがとても大変だと思います。海外の大学に行く場合も同様です。

 私も(1)か(2)かすごく悩みましたが、せっかく行くならアカデミックにやってみたい、という思いがありました。2年間現場を離れることに不安もすごくありますが、まだ授業が始まったばかりですが、すごく充実した時間になりそうな予感があるので、帰ったときにはまた違った自分になっているはずです。この貴重な機会を、私がどう活かすかでしょうね。

 さて、(1)(2)については、県や教育事務所が実施する選考試験を通過しなくてはなりません。それについては、また次回書いてみようと思います。

 あと、今回の説明はあくまで義務教育(小中学校教員)についてです。例えば県立学校(高校教員)などは同じ大学院派遣でも特別研修しか選べなかったり、制度は一部違うようです。さいたま市も独自のシステムのようです。そちらについては、同じ立場で派遣されている方から直接お話を伺ってみてください。