連携と貢献

 先日の静岡大学附属島田中の研究発表会について、書き忘れたことを1つ。

 この学校の発表の面白かったことは、学校全体の研究課題が「各教科の今日的な課題へのアプローチ」というあいまいなものだということ。つまり「各教科好きにやっていい」ということなんです。よく、学校の研修課題って(特に中学校の場合)ひとつのキーワード(例:「共同学習」「伝える力」「思考判断」)を持ってきて、それをどの教科領域で実践するような方向のものが多いんだけど、これってテーマによっては無理がある教科が出てきたりと、苦しいところがあるもの確か。

 でも、この学校では「連携と貢献」というスローガンがあって、各教科ごとに地域の公立学校の先生方と会を開いて課題になっていることを吸い上げ(今回で言えば「教科書の扱い方」)、それを附属の大学の先生方と研究し、授業実践を地域の協力校の先生方と考え、附属だけでなく地域の協力校でも同じ実践をやってみて、地域にどういう還元が可能かを探っていく、というフローが基本にあるようです。これって国立大附属中の在り方として、すごく素敵なことだと思うんです。一見地味だし、全国に威張れるような先駆的な実践が積み上がるとは限らない。でもやっぱり付属中って、その地区の核になっていく学校だと思うんで、「当たり前」を当たり前にできるようにするための工夫こそ積み上げて欲しいな、とも思います。というか、そういう学校もあっていいと思います。

 とはいえ、会場には同じ附属関係の人たちや大学生が目立ちました。もっと地域の学校の先生が足を運んでくれればいいのになぁ、もったいないなぁ、と思いながら見てました。