今は「英語教育どころじゃない」人たちの分も

 たぶん、毎日学校に行って生徒と接していれば、どんな状況でもやってくる目の前の現実と向き合わざるを得ないわけで、ある程度仕事に没頭できたんだろうけど、幸か不幸か自分のペースで時間が使える環境に身を置いてるため、なかなか切り替えができずにいました。とはいえ、ぼーっとしてるとあっという間に春休みも終わっちゃう。学期中にやりたかったけどできなかった(やらなかった)ことを、やらなきゃなぁ。

 ということで、本を読んだり、論文探したり、やっと活動を再開した次第です。これまで自分の研究云々についてはあまり書いてきませんでしたが、今後はちょっとだけメモしておきます。

 そもそも、ライティングをテーマにしていますので、今さらながらこんな本を読み直し。

 もう絶版になっているので、マーケットプレイスではすごい値段で販売されてます。そんな希少な本を大学でお借りして再読。

 ぼくが関心を持っているのは、「トピックの影響」です。具体的に言うと、トピックの種類によって、作文中の語彙にも違いが見られるかどうか、みたいなことです。ライティング関連の研究ってフォードバック関係が充実してますけど、トピック関連ってあんまり見かけない。

 予想通り、この本の中でも、topic effectに触れているのは、たった1ページ弱でした。(p.43)その中では、

トピックによる影響は受けないとする主張もある (Brossell and Hoetker Ash 1984) ESLでは研究少ないが、L1の場合ほとんど影響が見られない。

という立場と、

L1の研究では、書くときに与えられるトピックによって書き易さが異なるという主張が多数ある (Hirsch and Harrington 1981, Applebee 1982, Freedman and Calfee 1983, Pollitt et al. 1985)

という立場について紹介されています。ってこれ以上は書いてないんですけど。

 うーむ。トピックというより談話モードの違い、みたいな研究が多そうですけど、いずれにしても未開拓なエリアなことを再確認。でもまぁ、「影響を受けない」派の人たちの名前がわかっただけでも個人的には前進でしょうか。がんばって文献を探してみます。

 ただ「トピック」というものの扱いについて、今年度の論文指導の中で、自分でもちゃんと割り切れていないことがあることに気づいて、行き詰まっているところでもあります。残り1年弱しかありません。こっからスピードアップして、がんばろうと思います。

 自分が本を読んでも、文章を書いても、本当に困っている人たちのためにもならないし、日本の経済を動かすことにもなりません。Twitterで理系の人たちのつぶやきなんかを見てると、人の命や人類の存亡に関わることをきちんと語れる人たちの言葉に感動します。

 ぼくがやっていることは、直接誰かの命を救うわけでもありません。でも、多くの人が関わるお仕事は、きっとそんなもんです。非常時には優先順位の下がってしまうことだって、世の中にはたくさんあります。でも、どれもきっと誰かの役には立っているわけで、それを数値化することも証明することもできないけど、何か意味があることだと思っています。だから、今はそれをがんばるための場所を与えられているんだし、そこでやるべきことをやろうと思います。今は「英語教育どころじゃない」人たちの分も。

 今後も気が向いたときにはメモを残していきます。アドバイス等ありましたら、ぜひコメントしていただけるとうれしいです。