- 作者: 長谷部誠
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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構成と装丁とタイトルがある意味アンバランスで、タレント本と自己啓発本の間の中途半端な位置づけになりそうな本なのですが、個人的にはすごく気に入りました。長谷部本人のキャラクターがよーくわかったからということと、こういうことを考えている人が自分以外にもいるんだなぁと感じてうれしくなったからです。そう、ぼくも長谷部的な生き方をしてきたな、と感じるんです。
一言でいえば長谷部は集団の「バランサー」。この本で一番強く訴えているのは、個人の心を整えるというより、集団の心を整えるということだと思います。全体がどっちかに偏ってしまうことを恐れ、場合によっては自分の意思と反対側にポジショニングしたりしてしまうのです。でもそれが本人にとって心地よいのだから、無理をしているわけではないんです。そういう意味では天性の「守備的ミッドフィルダー」的資質を持ち合わせていると言えるかもしれません。
ぼく自身もそういうところがあって、所属する集団における分散度合いによって全く反対のことを言ってたりします(笑)だから学校を移ったときはそのギャップに自分自身が対応できず、すごく苦労しました。
どの集団にもこういう人間がちょっとは必要なんじゃないか、と思います。同じようなねらいからラジカルに対極のポジションを取って混乱を呼ぶ人もいますが、この「バランサー」の人たちはもうちょっとさりげなく機能します。だから集団がうまく回っているときはその動きが目に見えません。でも機能しています。そう自負しています。
もちろん長谷部はぼくなんかよりずっと真面目で、高い志を持っていることが伝わってきます。でもどこか同じような願いを持って生活している人なんだと知って、今まで以上に好きな選手になりそうです。自身のセカンドキャリアのことにも触れていて、こういうタイプの人間が別の視点で集団に関わるとき、どのように機能するのだろうかと、彼の今後に注目してしまいます。
全然関係ないところでは、途中にお気に入りのMr.Children曲ランキングが載ってたせいで、久しぶりにMr.Childrenが聞きたくなって、全アルバムを順番に聞いちゃいましたよ。
ちなみに彼がオススメしてたNTTのCMはこちら。
長いバージョンも素敵です。
#本日のBGM: 365日(Mr. Children)