Excelでラクラク!アンケート集計

 教師の仕事は「教えること」以外にも多岐にわたります。一日の仕事内容を説明すると「え、そんなことまでやってるんですか?」と驚かれることもよくあります。中でも地味に煩わしいのは「アンケートの集計」でしょうか。年間を通じて、結構ありますよね。(年度末のこの時期は、さらに増えてるかも) 「○○の達成目標」とか、行政が何か新しいプロジェクトを掲げるたびに、現場にはそのデータ取りが求められ、末端である教師は生徒に配布し、回収し(←これも地味に大変な作業)、それを集計する業務が待っています。

 で、普通は正の字を書いてカウントするんでしょうけど、ぼくはあれが苦手。数えてる途中で話しかけられたりしたら、「あれ?この人の質問3の答えはカウントしたっけ?」ってなってしまうこともしばしば。

 そこで、ぼくはExcelに個別に入力して、自動で集計するっていう手を使ってます。そんなに難しい方法ではないんだけど、意外にまわりにやっている人がいなかったので、ご紹介しておきます。

 といっても、予め生徒数分の「列」と質問数文の「行」を作っておいて、たいていは2択〜5択くらいの回答をそのまま入力していくだけです。シートはこんな感じで、1人の生徒の回答をタテに入力していきます。

 アンケートの質問そのものは「あ」「い」「う」「え」「お」で答えるようになっていても、それをとりあえず「1」「2」「3」「4」「5」に読み替えて入力します。「はい」「いいえ」も、「はい」は「1」で「いいえ」は「2」と決めておけば問題なし。これで全員分を入力し終えると、右側に「1を選んだ人が何人か」が自動的に計算されるというわけです。

 まぁ、たいていは選択肢は多くても5択くらいまででしょうし、質問数だって多くても20個くらいでしょうから、一度このシートを作っておけば、たいていのアンケート集計はこのシート1つで間に合います。(もちろん、生徒数や質問数・選択肢数はいくらでも追加できます)

 また、先程挙げた例のように、途中で話しかけられても、どこまで入力したのかはすぐにわかるので、すぐに作業を再開できます。これを使うようになって、1クラス分のアンケート集計が数分で終わるようになりました。ぼくとしては、かなり劇的な変化です。

 マクロを組んだりしているわけではなくて、単純に行内にある「1」の数を数える計算式を入れてるだけなので、簡単に作れます。でも「Excelの計算式なんてわかんない!」っていう人もいらっしゃるでしょうから、よかったらこちらからダウンロードして使ってみてください。
その他_アンケート集計.xls 直
 パソコンの苦手な人にとっては、「コンピュータなら、紙ではできないこんなすごいことができるんです!」って言われても、覚えたりするのに余計に負担を感じるようで、あまりメリットを感じないようです。それより、「紙でもできるんだけど、コンピュータ使ったほうが速くて楽ですよ」っていうものを体験してもらうほうが、少しでも機械に親しみを持ってもらえるんじゃないかなぁと思います。というか、学校現場におけるICT活用って、まずはそういうところが大事な気もします。

 そういう意味では、このアンケートだって、最初からgoogleフォームとかを使って保護者に直接ネット上で記入してもらえば、こちらで入力する手間すら省けます。保護者だってその方が楽な人もたくさんいると思います。(提出物を忘れたのか!と生徒を叱らなくて済ますし) もちろん、これまで通り紙での提出もOKにすれば、問題はないと思います。提出物を期限通りに出せるように指導することは大切なことではありますが、集まらないと教師の仕事が遅れる(あとで大変になる)ようなものは、ラクをする方法を考えたほうがいいと思います。ここ以外にだってそういうことを指導できる機会はいくらでもありますから。

 ICTが「教師の仕事を減らす便利なツール」として定着するように、現場に戻ったらいろいろ提案してみたいです。そして、これから教師になる学生のみなさんは、こういうExcelの基本的な使い方などを学生のうちにお勉強しておくと役に立つと思います。「若いんだから、できるでしょ?」なんて言ってお仕事を振られることも、結構多いと思うので。