2012年1月例会のご報告

 先週末はSETC&ASTEKでした。小学校の外国語活動がテーマでした。

 小学校での外国語活動に関しては、ちょっと前に「小学校英語は10年前の中学校英語を目指すのか?」という記事で、個人的に不安に感じていることを綴りました。その記事は、

 それにしても小学校の先生って多才。ピアノ弾いたり、歌を歌ったり、踊ったり、絵を描いたり、子どもを引きつける演技をしたり、と「英語教師」に備わっているといいなと思われるようなスキルをすでに持っている方が多いですね。そういったスキルが自然に活かせるような自然な授業が、広がっていけばいいなぁと思います。

と締め括ったのですが、今回見せていただいた小学校の授業は、まさにそんな小学校の先生のよさを活かした授業だったように思います。

 ちょっとした英語劇の練習→発表という内容でしたが、やっていることは小学校の国語科の授業でなら、みなさんがやっていそうな劇の練習→発表という授業と基本的に同じなんです。たまたま、使っている言語が英語になっただけ、という感じ。グループ活動させたり、個別に目標を設定させたり、演技を映像に撮ってチェックしたり、他グループとの交流で成果を発揮したり、評価したりっていう流れは、小学校の先生は得意なところですね。しかも、そこに演技をよりよいものにするという意味で、体育科指導の視点も加わっています。ダンスや鉄棒の授業のプロセスと同じなんです。こういうのなら、どの小学校でもすぐに取り組めるなぁ、と感じました。

 また、この会で拝見した、小学校体育科でよく使われているという参観した教師による授業分析シートがすごい! 授業の中の生徒の活動量や教師のフィードバックを数値化して、体育の授業としてのあるべき姿を目指すのにとても効果的なシートなんです。これを見ていると、体育科としての究極の理想的な授業は「生徒がたくさん練習できたか」と「教師が効果的なアドバイスをしたか」という2点がポイントなんだと感じます。そしてそれって英語科も同じですよね? このシートはぜひ英語科の授業分析でも使ってみたいので、それについては次回、このシートを英語科用にアレンジしたものをこのブログでご紹介しますね。

 仕分けされた「英語ノート」問題もなんとか解決しそうで、新年度には新教材「Hi,friends!」(←なぜか記号だけ全角)が配布されるようで、今の形で小学校の外国語活動はしばらく続くのでしょう。課題はもちろんたくさんありますが、その活動を経た生徒たちを、どうやって伸ばしていくか、来年以降は中学校教師の腕が試されるところでです。個人的には小学校では(基本的には)教わらない、「文字」を使ったコミュニケーションの楽しさを味あわせてあげないなぁ、と思っています。(私がライティング指導に関心があるのも、そこが大きな理由なんです)

 SETC&ASTEK2月の例会は、2月18日(土)16:00〜19:00で、「パソコンの無料ソフトを使ってリスニングテストを作ろう!」というワークショップになる予定です。いまだにラジカセで録音してがんばって作ってる方は、この機会にぜひチャレンジしてみませんか? これまでの半分くらいの労力で、簡単に作れちゃいますよ!