まずは「ことばへの関心」くらいから

 今週も怒涛でした。

 今年は部活関係のお仕事も回ってきたので、今月は昨日までに出張が5回。来週も3回あるので5月だけで8回も出張に出るというよくわからない日々です。授業も入れ替えたり、自習にしたりとやりくりが大変だし、クラスも担任不在の日にみんなが落ち着いた生活をしてくれるか心配です。

 そんな中、授業はやっと自分のペースになってきたかなぁという感じ。チャイムと同時に始めるディクテーション形式での単語テスト。ALTとクラスを半分にしてのグルグル。読めるようになった教科書本文を2分で書き写す音読筆写(カキトリン)など、だいたいいつも通り。今のところ今年追加されたのは「意味順ノートを使っての例文づくり」くらいかな。でもこれはノートを回収して、みんながどんな英文を書いているか(あるいは書けていないのか)をちゃんと見てあげないと、効果は半減ですね。その時間を見つけるのが大変な感じです。

 さて、最近のクラスの様子。

 昼休みになると、私が教室に置いている新出単語のフラッシュカードで遊んでいる子たちがいます。昨日「何遊んでんの?」と輪に入ってみたら、「先生見て!」と1枚のカードをこちらに示してくすくす笑ってる。見ると、

uos

の文字。あれ、そんな単語あったっけ?と思ってよくみると、

son

をひっくり返してたんですね(笑) やっと気づいた私も大笑い。なるほど、これは面白い。このあいだから盛り上がってたのは、こういうのを見つけて楽しんでたんだぁ。続いて、

mom

をひっくり返して

wow

にしてまた大笑い。「なんか顔文字みたいだし!」(笑) こういうのを楽しめるのって素敵ですね。この手法を使って、私の友人のススムくんがメールアドレスを

nwnsns

にしてた話も紹介して、さらに盛り上がりました。

 それじゃあともう一つ紹介したのは名前のローマ字表記を逆さまにする方法。私だったら

iekimuzuko

って感じです。無理矢理ですが「家木難子」って名前にも読めるかな?(笑) さっそく生徒たちも自分の名前をひっくり返して現れる文字列を読み上げて楽しんでました。

 こんなものを「ことばへの気づき」とは呼べないのかも知れないけど、ぼくが面白がって話題を広げたおかげで、少なくとも「ことばへの関心」くらいは高まったんじゃないかと思います。つまりそういうのって、(外国語だろうが母語だろうが)言語の授業とかいろんな授業中の「言語活動」なんかより、日頃子どもたちが接する人たちが持っていることばの感覚にゆるやかに影響を受ける類のものなんじゃないかな、と思うのです。

 もしかしたら「素地」なんてものも、そんな風に耕すべきものなんじゃないかな、と思います。