高校入試が変われば、授業が変わる

 気がつけば師走。

 11月の終わりには初任者研修のお手伝い。12月1日は上智大学での英語教育シンポジウム。4日は町の研究授業と、相変わらずの怒涛でした。

 少し遅くなりましたが、シンポジウムを振り返っておきます。

 今回は高校入試分析チームの一員として、第1部「全国47都道府県の高校入試分析から考えるテストデザインと中学校3年間の指導」というセクションで登壇させていただきました。いろいろな入試問題に触れながら、「良問」とはどんな問題なのか、じっくり考える機会をいただきました。

 とはいえ、所詮は入試問題。本来であれば、選別の手段として弁別力があって信頼性が高ければそれで十分なのだと思うのですが、かなりの比率で全国の中学3年生が受験することを考えると、センター入試を変えるよりよっぽど大きな波及効果があるのは確かです。

 入試問題全般について、あるいはライティング問題については、私自身の個人的な関心から、このブログでもいろいろ意見を述べてきましたが、今回このように入試問題を横断的に分析して考えをまとめ、関心の高い方々に向けて発信できる機会をいただけたのは、本当に嬉しく思います。入試問題に関わる方々も会場にいらっしゃったと思いますので、少しでも参考にしていただいて、問題が少しずつもでいいので変化していってくれたら嬉しいです。

 私の発表はというと、まぁいつも通りのお話で、ライティング問題にも複数の問題が出題され、それらが易→難と異なる難易度で構成されていて欲しい、ということ。そして「自己表現」ばかり出さないで、答えが存在するような問題(要約・再生・描写)などをもっとテストでも扱いましょう、というお話。それに向けての指導例としては、「4コマ漫画」を始めとして、イラストや漫画の描写や語りをもっとやらせよう、というこちらもいつもの提案でした。

 懇親会で、「やらせてみたいけど、ちょうどいい漫画がない」というご意見もいただきました。ぼくはいつも自分で描いちゃうからなぁ。そういう教材があれば実践も広がるのかなぁ。需要があるなら、作ってみたいなともちょっと思いました(ニヤリ

 一番印象的だったのは、まとめでの根岸先生(東京外国語大学)の「登壇者がやっているような実践が、ダイレクトに入試対策としても効いていると思えるような入試問題になっていないので、生徒がありがたみを実感しづらいのが残念」という主旨のお言葉。

 そうなんだよなぁ。だから肝心の地元の問題こそ、変わってほしいんだよなぁ。3月、期待しています。(昨年マイナーチェンジしたばかりだから、無理かな?)