新学期が始まりました。
そのせいか、昨日くらいからブログのアクセス数も急激に増えてます。みんな、活動が始まったんですね。「比較級 導入」とかが人気です。私も明日の授業の準備を始めなきゃと時計を見たらもう20時。なんだかんだいって、短時間で効率よく教材研究しないと、お仕事回らないですね。
でもそんなみなさまのご期待に反して、今日もマニアックな話。ライティング指導について。
立ち読みなので書名は控えますが、先日手に取った某「自由英作文」の学参がすごかったんです。ショートエッセイの構造解説では、
トピックセンテンス「小学校で英語を教えた方がよい」
↓
サポーティングセンテンス「英語を話せるのは大事だ」
↓
コンクルージョン「だから小学校で英語を教えるべきだ」
という例を紹介。ん? なんだかすごいぞ。これ、論理的と言えるのか? よく見ると、表紙に「大学入試」の文字。某有名予備校の先生による教材です。
本の最初のあたりのざっくりとした説明だからかなと思ったけど、後半の実践例まで見ても終始そんな感じでした。パラグラフの構成要素(に関する言葉)にはやたらこだわってる感じはするけど、論理構成そのものにはあまりこだわってないみたいです。
うーん。
一方で、自分の勉強のために読んでいた日向先生のライティング本を改めて読みなおす。特に、第1部の第3章から第5章にかけての「センテンスをつなげる」話のあたり。
- 作者: 日向清人
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- メディア: 単行本
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こういうのを読んでいると、高校入試の英作文問題の解答ではたくさん存在するであろう「AndやButで始めてしまう英文」をどう採点してるんだろう?という疑問が浮かびます。文法的にアウト? むしろ接続詞を積極的に使ってるとして好印象? そもそも気にしてない? 中学校でやってるのは実質書き言葉としての英作文ではないからあまり指導されてないだろうし、こういう書き言葉としてのお作法を採点規準にするのは難しいんだろうな、と思います。
余談ですが、そういう意味では、「この問題は『書き言葉』を書かせようとしているのだ」ということを伝えるためには、確かにテストのライティングの問題にも「場面設定」が必要なんでしょうね。
さて、埼玉県の高校入試問題の英作文問題では、「5文で書け」とセンテンス数にこだわってるけど、同時に「まとまりのある英文」であることも求めています。接続詞を積極的に使おうとすると、どうしても等位接続詞や従属接続詞になるから、センテンス数をかせげなくて非効率。中学生はあまり接続副詞は使わないだろうし。
そう考えると、やっぱり語数指定のほうが積極的にそういう接続詞を使うだろうし、彼らの求める「まとまりのある英文」を引き出せるんじゃないか、と思ってしまいます。まぁ、このへんはずっと言い続けていることです。
前述の「大学入試」対策の英作文教材みたいに、トピックセンテンスだサポートセンテンスだと構造ばかり語るより、まずは2文を有機的に、無駄なくつなげるトレーニングをするべきじゃないか、と感じます。パラグラフはその先でしょう。
そういう練習をちゃんとやらないでいて、入試が近づいてからいきなり自由英作文とかやっても書けないでしょう。そして、和文英訳ではそういう論理構成を考える部分をすでに和訳として与えられちゃってるわけだから、そういう練習にはならない。じゃあどこで学べばいいんだ?と思ってしまうのです。
中学校レベルの英文がある程度理解できるようになったら、高校のライテイングの授業ではこの本の第3章から第5章あたりの内容を学んで、繰り返し2〜3文をつなげて書くトレーニングをした方がいいんじゃないかなぁ。あ、「ライティング」という授業はなくなってしまったのだったっけね…orz 大丈夫、「英語表現」でもできる!
現実的に、中学校ではここまではできません。でも等位接続詞&従属接続詞と、あまり大仰ではない接続副詞のいくつかと、代名詞くらいまでは指導できます。教科書の途中に現れる「プロジェクト」みたいなセクションで"First,〜. Second,〜" みたいな「記号」を教えるより、中学校でも文を適切につなげる練習をしたほうがいいと思いました。
定期テストなんかでも、5文以上書かせるような問題をいきなり出さないで、まずは2文を「適切に」つなげる問題を出してみるといいんじゃないかな、と思います。