なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? / 佐々木正悟

 なんだかんだ、最近は出るたびに買っている佐々木さんの新刊。今回も買ってしまいました。そして読了。

 今回は「タスクシュート式」と名づけた、時間管理術の入門編。大橋悦夫さん作成のTaskChuteというExcelベースの時間(タスク)管理ソフトを利用することを想定してはいますが、今回の書籍はそのマニュアルという趣ではなく、そのソフトでやろうとしているコアな概念をご解説いただいている感じです。

 年度も変わり怒涛の日々で、ちょうどタイトルのような気持ちになっていたところだったので、思わず手が伸びた一冊でした。ここのところの帰宅時間を考えると、切実な問題なんです。

 さて、佐々木さんにはなんと数年前にうちの英語教師サークル(SETC&ASTEK)でもご講演いただいたことがあるのですが、そのときもこのタスクシュート的な考え方を伺った記憶があります。その際の正直な感想は「自分には無理」「そこまでやるのは病的」というものでした(笑)

 でも今回この本を読んで、少し印象は変わりました。本の中でもカーナビの喩えを出してましたが、あくまで目安としての仕事終了時刻を算出することに、意義を感じるようになりました。また、その前提として、自分がやっていることが(実際には)どのくらいの時間がかかっているのかをちゃんと測ってみることも、正しい見積もりのために大切なことだと今はわかります。

 そういう意味で、TaskChuteにこだわらずに、「タスクシュート式」という考え方を書いた今回に書籍は、とても意味があると思います。ああ、でもTaskChute使いたいなぁ。Macでも(非公式ながら)動くみたいですけど、Excelのバージョンが古すぎて動かなそうなんだよなぁ。

 しかしこの本のタイトルは、

なぜ、原稿が予定どおりに終わらないのか?

とも読めるし、

なぜ、授業が予定どおりに終わらないのか?

にもなり得るし、生徒の立場で考えれば、

なぜ、宿題が予定どおりに終わらないのか?

という問題にもつながります。生徒の生活や学習を支援する立場としては、こういうのがビジネスマンのためだけでなく中学生のためにも広まっていくべきだと思います。そう思って私も、上山晋平先生著の家庭学習本では、そんな学びを還元する意味で、「失敗しない「テストの学習計画」の作り方」というコラムを書かせていただきました。あれにもタスクシュート的に「測定」という考えを入れています。

 佐々木さん、中学生向けにそんな本書いてくれないかなぁ。もしくは、中学生を指導する教師向けに、『中学生のためのタスク管理術指導ガイドブック』みたいなの。

 と、どこまでも他力本願(笑)