通常の授業での活動を、表現活動にどうつなげるか

 昨日は埼葛授業研究会でした。

 越谷市の中学校で授業を参観し、そのあとは研究協議。埼葛の研究協議はワークショップ形式でおこなっています。今回は進行担当だったのでネタ決めから、当日の運営までお仕事させていただきました。

 今回のテーマは「通常の授業での活動を、どう表現活動につなげるか」でした。これは授業者の課題意識から生まれたものです。教科書にはいくつかのレッスンごとに「プロジェクト」的な表現活動のページがあります。スピーチだったり、作文だったり、Show & Tellだったり、内容はいろいろですが、そこまでのまとめの活動として位置づけられています。

 この「プロジェクト」の単元に入ると、モデルを提示して、原稿を書いて、練習して、発表と段階を追って指導をするわけですが、「プロジェクト」以外のページを扱っている「通常の授業」での活動も、そこにつながっていっているはずです。今回はそれをどうやって計画的に設定し、また有機的につなげていくかを考える会にしました。

 事務局では、以下のシートを用意しました。

 参観者のみなさまには事前に、通常の授業でやっている活動の資料を当日持ってきていただけるようにお願いしていましたので、それらの活動がプロジェクトに向かう「型を知る」「型をつくる」「型を覚える・破る」といった3つ段階のどの部分につながりそうかを付箋で貼ってもらいました。

 すると、多くの方はインプット系の資料を持ってきていたので、シートの左側に付箋が集まりがちです。そういう場合には、その他の段階に役立つ活動にはどんなものがあるかをみんなで考えてもらいました。例えば、教科書をRead & Look upするのだって、キーワードと絵から本文を再生するのだって、人前で顔を上げてShow & Tellをやる時に必要なスキルを育てる活動だと思います。こういったものが、ここでいう「型を覚える・破る」あたりに当てはまります。

 最近は「○○インプット」とか「○○○○英会話」といった、会話文をペアで暗誦するタイプの活動が「インプット活動」として広がっていますが、これって、そのあとにちゃんとそれらの表現を使う場面を設定しておかないと、まったく意味がないですよね。あまりそういうことを考えたことがないままに活動をさせていたという方々には、自分がやっている「インプット活動」がどこにつながっていくのかを意識していただく、よい機会になったかと思います。

 個人的にも、自分がやっている活動をメタに分析できて面白かったので、今度サークルでもやってみようかなと思いました。学校の教科会でやってみる〜と言ってこのワークシートを持ち帰った熱心な方もいましたので、使えそうだと思ったらどうぞご活用ください。
埼葛_授業研究会2014_ワークショップ.pdf 直