何度でも繰り返し練習できるワーク

 このブログで『エイゴラボ』をご紹介したところ、多くの問い合わせが出版社さんのほうにあったようで、多くの方に関心を持っていただけてとても嬉しいです。教材を作るのは教材会社さんのお仕事ですが、どういうものが欲しいかを日頃から考えて、よいと思ったものをしっかり選ぶ、ということが我々英語教員のお仕事だと思います。特に、全員に持たせることになる学校納入の教材を選ぶ責任は大きいですよね。

 さて、今日もそんな『エイゴラボ』の特長を1つご紹介します。今日のキーワードは「何度でも繰り返し練習できるワーク」です。

 最近は多くの教材で、「基本文が◯回練習できます!」と、1冊の教材の中で問題の形式を変えながら繰り返し基本的な英文を書かせる工夫が施されています。「繰り返し」という言葉が指導要領絡みでBuzzってからは特に、それを謳う教材が増えましたね。

 個人的には「◯回書く」ことにどれくらい意味があるのかはわかりません。もちろん、スパイラルに何度も英文に出会うことは大切だと思います。ただ、多くの場合、「穴埋め問題」で出会った英文に次は「並べ替え問題」で出会う、といった「出会いの違い」が提供されているのではないでしょうか。

 『エイゴラボ』の面白いところは、「このレッスンは不定詞だから答えはどうせtoだろう」という決めつけができないところです。単元に関わらず、場面に必要であれば既習表現が何度でも登場します。

 例えば、新出文型の導入部分では、sかedかといった「形式」だけでなくそれぞれの文の持っている「意味」や「使用場面」の違いでも、しっかり比べられるようになっています。

 また、単語は各レッスンの最後にまとまっていますが、教科書とは違った文脈での例文で使用方法を提示しています。


 ページ内でも示してありますが、文中の青の四角には、このレッスンで登場する新出単語(つまり上の枠内にある単語のどれか)が入り、グレーの四角には、既習の単語が入ります。教科書の内容に縛られない例文ですので、その単語の意味が活きる場面が選ばれているように思います。

 既習表現を場面に合わせて、という意味では前回ご紹介した英作文問題でも、2文書かせるうちの1文は既習表現をうまく使うことをねらった問題も多数用意しています。例えば、受動態を学ぶレッスンであっても、1文は最上級の文を書かせる、といった具合です。こうすることで、どの文法とどの文法が一緒に組み合わせて使うことができるかを体感することができます。こういう単元を超えた組み合わせの練習って、とても大切なのに、3年生の受験期の作文指導あたりまで、あまりさせてこなかったように思います。

 もうひとつ、「何度も」という意味で役立ちそうなのが、解答集です。『エイゴラボ』には、『ミニラボ』という小冊子が、解答集としてついてきます。これがかわいい。

 この『ミニラボ』は、何度も御覧いただいている見本ページと同様に赤字で解答が入った状態のものです。そして、これに「赤シート」が付いてくるそうです。ということは、そう、何度でもできるんです。

 先月のサークルで他校の先生から伺った話では、生徒の中にはすでにそういう風にワークを使いたくて、自分で赤でまず解答を書き込んでから赤シートで隠しながら何度もやっている、という生徒もいるようで、そんな生徒さんにはピッタリのワークですね。私だったら、この『ミニラボ』を持ち歩かせて、授業の最初に指定したページの英文でグルグルをやる、なんて使い方も面白かなと考えています。

 すっかり『エイゴラボ』宣伝ブログになってますけど、私が関わったのは英作文問題だけなのに、得意気にご紹介してしまってすみません。でも自分にとっては「こんなワークが欲しかった」という1冊なので、つい力が入って紹介してしまっています。

 これらの記事を読みながら、改めてワークで何をやらせるか、ワークでどんな力をつけさせたいか、そしてその分授業では何にフォーカスをするのか、について考える機会にしていただければと思います。