意味順を、世界に!

 さて、Twitterでは少し前にご案内していましたが、「意味順」指導法を紹介する書籍が、この冬にイギリスのRoutledgeという出版社から発刊されます。A New Approach to English Pedagogical Grammar ーThe Order of Meaningsという本です。

 編著者は「意味順」を提唱している京都大学の田地野彰先生です。学習法として日本で広がってきた「意味順」を、指導法として世界に紹介しようという、意欲的な一冊です。

 この本では、「意味順」をA Meaning-order Approach to Pedagogical Grammar(MAP Grammar)と名付けました。よく田地野先生のご講演でも比喩として用いられますが、「意味順」には英語という言語を俯瞰して捉える「地図」のような役割がありますので、よいネーミングだなと思います。

 日本だけでなく、世界中の研究者によって理論的背景から、中高教員による実践事例まで、詳しく語られている専門書です。もちろん英語版になると、「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」という日本語独特の音の響きやリズムというメリットを失ってしまいます。それでもなお「意味順」がEFL学習者を支える「地図」になれるのでは、という願いをもって、この本は書かれています。Routledgeのサイトには目次も出ていますので、よかったら御覧ください。

 私もPart III: MAP Grammar: Practice reports and lesson plansという章で、中学校での実践事例を紹介しています。各種お座敷でご紹介した「意味順訳読シート」と「意味順合いの手音読」を取り上げています。アカデミックな専門書で書かせていただくの初めてなら、英語で原稿を書くのも(修士論文を除けば)初めてで、本当に緊張したんですけど、とても貴重な経験になりました。

 今年は3年生の主任&担任ということで、お座敷や活字のお仕事は抑えめにしてるんですけど、こうやって昨年までに取り組んできたものが形になるのはとても嬉しいです。私も手に取るのを今から楽しみにしています。また、発刊されましたら、こちらでご紹介させていただきます。