I went to Kiyomizudera is beautiful.

 生徒の英作文を採点していると、共通している間違いをいくつも見つけます。で、それに対する指導を考えるんだけど、根本的に日本語作文の習熟度に問題がある場合も多くて、どうやったものかなかなか難しいです。

 昔からよくあるパターンは、I like sports is soccer.みたいなやつなんだけど、これは意味順をしっかり教え込んで、favoriteの使い方(My favorite sportという名詞句の構造)を会得するとずいぶん減ります。今回はI went to Kiyomizudera is beautiful.みたいな文をいくつも見つけて、むーんと頭を悩ませています。

 面接の練習や(今となっては懐かしい)「志願理由書」みたいなのを書かせたりすると、こういう生徒は「私が○○高校を志願したのは…」と書き出した文に対して「○○だからです」と受けることができません。自分がどういう「上の句」を書いたかに認知リソースが割かれないので、その場その場でなんとなく「下の句」を継いでしまいます。というか、「上の句」「下の句」みたいな感覚がないんでしょうね。面接のように口頭の場合はある程度仕方ないにしても、作文でもできないのは結構困ります。国語科教育では、この辺の課題にどうアプローチしているのか、興味がわきました。

 さて、英語科教育に話を戻すと、意味順ノートを使うことである程度はこういう文を減らすことはできると思います。日本語に課題があっても、そのままでは置ける場所(ボックス)がないので、ボックスに誘導される形で、適切な語句が引き出される可能性があります。それでも、意味順ノートを離れたところで英文を書かせると逆戻りしてしまうので、どこで意味順ノートを離れていくか、という指導も大切だなと痛感しています。(いずれにしても、まだ離れるのは早いんですけどね)

 さて、最近は意味順ノートに英作文を書かせる際にも、まずは日本語を英語の意味順に並べる作業をさせています。

だれが する(です) だれ なに どんな どこ いつ
私は しました   サッカー   公園で 昨日

 で、この段階で私が一度「添削」して、返却されてから英文に取り掛かり、提出された英文を今度はALTがチェック(or内容にコメント)する、という二段階方式です。

 ALTも生徒の英文を見て、「これまでは『リフォーム』をしたいと思っても、構造がめちゃくちゃで『建て直し』が必要な英文が多かったけど、この二段階式の英作文に取り組むようになって『設計図』がしっかりしているので、 そういう英文が減ったね」というコメントをしてくれています。

 ということで、結局その設計図を自力でしっかり引けるようにしてあげるための戦いが続くのであります。