名詞句で答える内容理解問題

 7月に入りましたね。勤務校は大会等の関係でずいぶん早めに期末テストを終わらせてますので、のんびりマイペースにLesson 3あたりをやってます。3年生ではこのレッスンを主に読解の素材として活用しています。

 最近はそんなふうに、「このレッスンは読解中心に」「このレッスンは音読を徹底しよう」「このレッスンではリプロダクションまで求めよう」と、各レッスンに軽重というか、主となる目的を設定して扱うようにしています。どのレッスンでも同じように単語→内容理解→音読みたいなパターンではやっていません。実際読解中心のLesson 3では、音読練習は一部分に限定してやっています。

 さて、その読解練習ですが、本文を読んでワークシートの質問に英語で答える、という形で取り組んでいます。まずは個人で挑戦し、そのあとペアやグループで相談するようにしています。で、そのワークシート(と模範解答)がこちら。

 そうです。答えは、名詞句で本文から書き抜くだけでOKな問題になっています。Lesson 1とLesson 2では、名詞句をしつこく「四角化で視覚化」(TM先生™)してきましたので、あまり説明しなくても生徒は自然と答えが名詞句であることに気づいて、上手に抜き出せていました。

 名詞句の視覚化はとても大切なステップですが、それが目的化してしまうともったいない気がします。できるようになった視覚化が、読解に役立つという実感を持たせたくて、このレッスンでは意識してそういう問題を作っています。(別のページでは名詞句以外の答えもあります)

 で、5つすべての答えを確認したあとで、「洞窟が青色なのはなんで?何の色なの?」と質問すると、ちゃんと"the color of the sunlight through the glacier"と、また別の名詞句で答えてくれました。うん、だいぶ慣れてきた感じがします。名詞句把握と意味順は、文法指導の両輪だと思っているので、こんな形でじわじわと名詞句の感覚を染み付かせていきたいです。

 金谷他 (2015) *1では、「教師の特別な解説などで、名詞句の把握が促進されるかどうかは不明である」とありますが、私の教えている感覚からすると、この視覚化だけでも理解にとどまらず運用面でもずいぶん促進されたと思うので、いつかそういう検証ができたらいいですし、難しいと言われている割にはそのための手立てが十分に共有されているわけでもないと思うので、そういう機会を作っていきたいですね。

*1:金谷憲・小林美音・告かおり・贄田悠・羽山恵 (2015). 『中学英語いつ卒業?中学生の主語把握プロセス』 三省堂.