大学での授業もだいぶ流れが固まってきました。
特に教職科目ではない一般の講義科目「第二言語習得理論」はどんなふうに進めようか悩んでました。とりあえず授業の中で「英語習得に男女差はあるのか?」「『英語は12歳までに学んだほうがいいの?』と聞かれたら何て答える?」みたいなお題に対してグループでディスカッションをして、それに対応するテキストの章を読んできてもらい、次回私が解説する、という流れが定着してきました。おかげさまで「テキストを読むのが楽しみになる授業」という感想を書いてもらえてて嬉しい限りです。学生もすごく熱心に参加してくれています。
さて、そんな大学での授業では、
(1)自分用の授業メモ(略案的なもの)
(2)配布用ハンドアウト
(3)提示用スライド
を作るのですが、忙しい中で全部作るのはかなり大変です。さらに学生が後で復習できるように
(4)資料+αをオンラインにアップロード
までやりたいんですけど、さすがにそれは欲張りかなぁと悩んでいました。
でも、Scrapboxという共有ノートサービスを使うことで、今はその全部をほぼ1つのファイルで実現できています。
ScrapboxはイメージとしてはEvernoteに近いんですけど、作ったメモをまるでWebサイトのように他人と共有できる(ブログのように公開できる)サービスです。ノート同士をキーワードでリンクできるので、仕組みとしてはWikiみたいな感じです。
しかも文書を書き始めると勝手にバレットが出てくるので、まるでアウトライナーのようにメモを書き出すことができます。私はこれでまず授業の計画を立てます。
授業計画ノートが完成したらこれをWordに貼り付けして、一部分を消せば、そのままハンドアウトになります。これで(2)までクリア。
そして、このScrapboxの便利なところは、この授業計画ノートがそのままスライドショーにできる点です。
右側のメニューからStart presentationを選ぶと、画面が拡大され、スライドショー風になります。すべてつながった縦長のロール紙のようなスライドになるので、必要なところは行間を空けておくといいでしょう。特殊な機能はありませんが、画像や動画も貼り付けられるので、授業で提示するなら私はこれで十分です。
このScapboxのノートは(1)自分だけ編集&非公開、(2)複数で編集&非公開、(3)自分だけ編集&公開、(4)複数で編集&公開、と4パターンの使い方が可能なので、私は(3)でブログのようにノートを公開しています。しかもタグをつけておけば、関連するノートだけまとめることができるので、その授業を取っている学生向けのノートをまとめておくことができます。
これでオンラインの資料公開も自動的に完了です。おお、これは楽だ。
公開するだけであればブログでももちろんできますが、そのために記事を書いてアップしてという手間を考えると、メモを作った時点で公開も終わっている、というのはすごく楽です。
しかもScrapboxでは、キーワードにリンクを貼っておくことでWikipediaのように(私が作成したすべてのノートの中で)関連するページに飛んでいくこともできます。教職の授業のノートを見ていた学生が、興味に従ってクリックしていったら第二言語習得理論のノートに貼ってある動画を見ていた、なんてこともありえます。それも面白いですよね。
特別なアプリも要らずオンラインで作業できるので、自宅と研究室のコンピュータで資料を作り、教室にはiPadを持っていって画面に投影しています。ホント便利です。
こうやって蓄積しておけば、来年以降の自分にとってもすごく助かる財産になるので、とりあえず情報を蓄積して使っていこうと思っています。