中学校で「妄想近況報告Writing」やってみた

大修館『英語教育』の連載でも一度話題にしましたが、今年度は公立中学校で非常勤講師として英語を教えています。といっても、年に8日なんですけどね。初任者の先生方が研修に行く日の「後補充(あとほじゅう)」という制度がって、木曜日がその7日目でした。

せっかくなので、授業の様子をご紹介。

導入は、担当教員の年末年始Small Talkから。T2の先生に、話を振って「大掃除で忙しかった」という話の後、私は写真を三枚見せて家族の初詣の様子を紹介。その後、ALTがフィリピンに「帰省」した話を動画で。当日の朝話を振ったのだけど、1時間目の前までに3分くらいの動画まで用意してくれて感謝感謝。

で、これはメインの活動の前フリになってまして、今日扱うのは「メールで近況報告を書こう」という知識・技能のトレーニング・ページ。(私は1ヶ月に一回くらいのペースで入るので、初任者の先生が日頃やっている授業を引き継ぐのは(引き継がせる方も)困難なので、私は教科書のPower-Upという、道案内とか空港のリスニングとかスキルベースの活動が設定されている箇所だけ担当しています。)

教科書には、ジャックからヘレンに送られたというメールが載っているので、これを1分で「ざっくり読み」。「このメールって何」「なんの目的で送られたのかな?」という発問。英文は、札幌で雪まつりを見たり、味噌ラーメンを食べたという内容なので、生徒は「これ、自慢じゃね」と盛り上がります。うん、そうも読めるね、とひとまず措きます。

その後は、教科書の指示に従って、メールの構成を確認する活動。「あいさつ」部分に下線、ジャックがしたことに波線、ジャックの感想に二重下線を引きます。これらを確認して、ああ、近況報告って事実+感想の組み合わせでできてるんだねと整理。じゃあ、みんなにも書いてもらうよ、とワークシートを配布します。



で、実際に書き始める前に、ポイントを2つ。

1つは、書く内容はリアルじゃなくてもいいよ、ということ。半分くらいの子は、「おーし、じゃあめっちゃ盛るぞ」と張り切り、もう半分くらいは粛々と実話っぽいのを書いてました。どっちが得意な子もいるよね。ということで、最初は全員妄想日記にしようと思ってたのだけど、当日生徒の様子を見ていてどっちもOKに変更しました。

もう1つは、英文の作り方。せっかくなので意味順を簡単にご紹介。細かいところはいいから、基本的な語順を頑張ろうという話と、ALTや教員にわからない表現を尋ねるときは、意味順の1スロット(「だれが」や「どこ」など)だけなら、"What's 神社 in English?"とか"How do you spell ’shrine’?"とか聞いていいよ、と伝えました。(これ、ちょうど近日発売の連載最新号に書いた話です)

10分くらいで3〜5文くらい書いてみよう、と取り組みましたが、思ったよりはよく書けてたかな。意味順シートに慣れてないので(慣れてないゆえの)ミスもあったけど、自分の言いたいことを、頑張って表現する経験が積めたんじゃないかなと思います。

で、これを周りの人と交換して回し読み→コメントをつける、という活動でおしまい。授業後に、私も全員にコメントを書き込みました。英文の正誤じゃなくて、中身に対してコメントするのって、やっぱり楽しいなぁと実感。妄想組もイマジネーション豊かで、「紅白で歌ってた」とか「サンタクロースなので忙しかった」とか、面白かった!

ああ、こうやって純粋に「中学校でやった授業」の記録をブログに書くのは何年ぶりだろう。うまくいくことも、いかないこともあるけど、記録に残しておくのって大事だなぁと思います。

残された中学校勤務はあと1日。最後は何をやろうかな。