イングランド・スコットランド放浪記3

 気が付けばもうすぐ冬休みも終わり。毎日学校に行っていた割りにはあまり仕事が進んでいないなぁ。(汗)

 今日はマクベスネッシーに遭ったお話です。スコットランド編。

4日目 8月23日(月)「インバネスネス湖

 スコットランド滞在の日程が一日延びたので、予定を変更して今日はネス湖に行くことに。遠いところに先に行っておくのが得策と判断。ネス湖のほとりインバネスは天気予報では最低気温2℃、最高気温13℃の寒冷地。ホントに夏なのかと疑いたくなるような気温。しかも山々にもたれかかるような陰鬱な空は、数々のミステリーを演出するかのよう。
 エルギンからインバネスに向かう途中で、コーダー城に立ち寄る。ここまあのシェークスピアの「マクベス」の舞台となった古城。石造りの城壁に落ちてくる雨が暗い暗い物語を思い起こさせる。きたないは、きれい。きれいは、きたない。

 コーダー城にはツアーの観光客も結構来ていました。イタリア人と思われる集団。そして日本人のツアー。今回の旅行ではあまり日本人とは出会わなかったけど、このコーダーが初めてかも知れません。結構高齢な方々も多いながらスコットランドのしかも北部のコーダー城まで来るってのは結構「趣味な人たち」ですね。コーダー城はやや観光地化してましたが、階段も多く足の悪そうな女性は大変そうでした。まぁ、何百年も前にバリアフリーが実現していても困るのですが。

 コーダーを出ると、インバネスまではあっという間。でもインバネスは結構都会なので、この国に来て初めて車がたくさん走ってるのを見た。「渋滞」まではいかないけど、結構道も混んでます。都市という感じがします。

 市街を抜けるとまた一本道。川を渡り、心なしか窓からの風が冷たく感じるようになると、左側に見えてきたのがネス湖。まるで川のように細長く、海のように穏やかな水面。陰鬱な空をそのまま映したような深い深い群青の蒼。あの色を見ちゃうと「怪物が居ない」とは断言できなくなってしまう。もっとも居ることは証明できても、いないことを証明するのは相当難しいでしょうが。

 ネス湖を左手に見ながら、まずは川の畔に佇むアーカート城へ。崩れ落ちた城郭が何とも言えず物悲しく、奥に見えるネス湖とのバランスが最高に美しい。起伏も多く、断崖にそびえ立つ古城を眺めていると、自然の要塞がそこに存在した意義も感じられるのだけど、こんなところに攻めてこようとする奴等が本当にいたんだろうか、とも思ってしまう。途中空が明るくなって芝の緑が美しく映えてきたけど、薄暗いときの景色と違った美しさが見られ、一粒で二度おいしい。

 Hくんはネス湖がいたく気に入ったようで、今度来たらこの畔の村にステイするんだと張り切ってました。ぼくもまた来てみたいと思った次第です。インバネスにも空港があるけど、飛行機で来ちゃったらこんな風には思わなかったかな。アバディーンから少しずつ変化していくスコットランドを体感してきたらこそ、そう思えるのかも知れません。村で買い物をして、エルギンへ戻りました。今日は少しのんびりできたかな。
 
 ところでこの日、オリンピックの女子マラソンがあったのですが、翌日の新聞の見出しはラドクリフ一色。どうもリタイアしたみたいなことは見出しから分かるのだけど、結局誰が勝ったのかはさっぱりわからない。悲しみに暮れているイギリス人にはなんとなく聞けず、野口選手が金メダルを取ったことは日本に電話するまで分からずじまいでした。どの国のオリンピック放送もまぁ自国中心なんだと学ぶ。ちなみにロンドンは2012年のオリンピックに立候補しているようです。