イングランド・スコットランド放浪記4

5日目 8月24日(水)「ウイスキー三昧」

 ハントリー城で買った「古城巡りパス」があったので有効に使おうと、午前中古城巡りを企画するも、結構なドライブになることが分かり断念。古城巡りをするならアバディーンからハントリーを結ぶ線を直径にした環状のどこかの町を根城にすることをお奨めします。その方が便利。
 さっそくウイスキーの蒸留所へ。最初に行ったのはグレンフィディック蒸留所。ここはスコットランドシングルモルトの中でも特にポピュラーな銘柄とあって、ちゃんとしたビジターセンターや蒸留所内のツアーを用意してくれています。簡単な日本語版パンフレットもあって親切丁寧。ただし駐車場に停めて降りた瞬間から酒の匂い。諸々の事情で今日は私が運転手。匂いだけで酔ってしまうそうになり、いきなり不安。

 ビジターセンターで待っていると、ツアーがスタート。最初の概要説明ビデオは日本語翻訳ヘッドフォン有りでしたが、それ以降は英語によるガイド。専門用語がわかんなかったけど、モノを見て、匂い嗅いで、飲んで(笑)、ウイスキー作りの過程をずいぶん体感できました。ぼくは運転手だったので飲まないでいたら、小瓶のグレンフィディック(12年)がもらえました。ラッキー。

 ウイスキー好きのそもそもこの旅を企画したHくんはご満悦な様子。そりゃそうでしょう。聖地ですからね。この旅のモチーフは村上春樹氏の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」という旅行記です。この本は同じくシングルモルトを求めて主にアイラ島の蒸留所を村上氏が訪れる内容。美しい写真とおいしそうな文章。今回はすっっかりその再現となりました。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

 グレンフィディックのおみやげ屋さんでおみやげを購入。ウイスキープディングウイスキーケーキ、15年モノ、18年モノ、21年モノ、ついには30年モノまでずらりと並んだ店内にHくんは大興奮。うれしそうに眺め、いろいろ買い込んでいました。

 2時頃、少し遅い昼食へ。このレストランがまたのんびり。席についても注文取りに来るでもないし、料理もなかなか来ない。他の客も怒るでもなくしゃべりながら待っている。のんびり。この国はいつもこんなペースなんですね。ぼくたちもそのペースに任せていたかったけど、蒸留所は4時とか4時半で閉まっちゃう。(そういうところは「のんびり」でもない) ハンバーガー一つ食べるのに1時間以上かかっちゃったけど、あわてて頬張り次の蒸留所へ向かう。

 次に訪れたのはマッカランという蒸留所。やや町のハズレにあり、広い庭と素敵なゲストハウスのある小綺麗な農家という雰囲気。店内も洒落た作りで、グレンフィディックとは少し違った趣。気のせいか味も少し上品に思える。(ウイスキーの味なんてわかんないですけど)

 ツアーは終わっちゃったということなので、店内を眺めてテイスティング。今度はぼくもグラスをもらいましたが、中身は全てHくんの喉へ・・・。ラベルに描かれている建物が庭にある、ということなので、霧雨の中散歩。そう、ダフタウンに来てからはすっかり雨です。天気予報では今週は降らない予定でしたが、この国で(特にこの地域で)予報なんて意味のないものですね。

 市内に戻り宿探し。結局町の中心部にある小さなB&Bに。使わなくなった息子の部屋をお貸ししましょう、といった雰囲気の家庭的な宿。1泊1人15ポンド(約3000円)だから安い。もちろん朝食付きです。昼のハンバーガーがまだお腹の中にある感じがしたので、夜食は軽めに。といってもまた同じレストランに行ってしまった。遅いけど、まぁおいしいお店なのです。