毎回英語の歌をやってますが、みなさんはどれくらい時間をかけていますか? せっかくやるんだったらだから「聞かせるだけ」なんてもったいない! でも「歌えー!」って言っただけでは歌えるようにはなりません。メロディに魅力があれば、それだけで「歌いたい!」って気持ちになるけど、歌詞が読めなかったり、リズムについていけないと「でも歌えない」ってやる気をなくしちゃったりします。そういう意味では選曲も大事なのですが、私は3段階で「みんなが歌える」状態に持っていくようにしています。
ステップ1 まずは読み方を"Repeat after me"
さて、第1段階は、「読み方の確認」です。いわゆる"Repeat after me"をしながら、必要な人はフリガナをふります。ただし、"Let it be"なら「レリビー」のように、聞こえたとおりにふることが条件です。私は時間短縮のため、新出単語には予めフリガナをふっておきます。(ただし同じ単語にはふりません)
ステップ2 フレーズレベルで"Repeat after me"
第2段階はリズムに乗って"repeat after me"です。英文の意味的なモノではなく、あくまで歌の音としての切れ目までを一括りとして読んでみます。このとき、音程は無視して、ラップのように譜割りだけを意識して読みます。
例えば、今一年生で歌っている"Here Comes The Sun"だったら、
1 Little darling, 2 it's been a / long cold lonely winter. 3 Little darling, 4 it feels like years / since it's been here. 5 Little darling, 6 the smiles re / turning to the faces. 7 Little darling, 8 it seems like years / since it's been here.
こんな感じで区切ります。6行目なんか、returningって単語をあえて区切って練習します。あくまで符割りを意識します。これを何度か繰り返しておくだけで、あとで歌える度合いはずいぶん高まると思います。
ステップ3 最後は"Sing after me"
そして第3段階。"Sing after me"といって、さっきの切れ目を単位としてアカペラで歌います。生徒はそのあとから歌います。特に難しいところはさらに分解しながら歌います。一人で歌うのはちょっと恥ずかしいですが、すぐ慣れちゃうから大丈夫です。合唱指導しているような錯覚に陥ることもありますけど。歌に自信のない方は、CDをフレーズ単位で一時停止しながらリピートさせてもいいかもしれません。もっともステップ2までやってあげるだけでもずいぶん違うと思います。
結局このステップ2、ステップ3をやるかやらないかで、生徒が歌えるようになるまでに大きな差が出てくると思います。「英語が読める」ということがそのまま「英語で歌える」にはならないわけです。合唱指導をするような気持ちで、音程を覚えさせていくと、歌えるようになるのも早いです。
というわけで、私はこんな風に歌を導入しています。だから1回目だけは20分くらいとって、ゆっくりと仕上げていきます。これを1回やっておけば、次からは5分くらいずつでも大丈夫です。時間と質を気にしながら今日も歌い続けます。