- 作者: 岡嶋二人,西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/06/15
- メディア: 文庫
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さて、本屋で何気なく手に取ったこの本は、2つの誘拐事件が絡み合うミステリー。20年前に誘拐事件に遭った子供が受け取ったのは、父親が当時を振り返って残した手記。この手記ひとつで、十分ミステリー小説1つ分のおもしろさがあるというのに、この事件が元になって、もう一つのミステリーが生まれます。これはおもしろい。特に後半はとても痛快。読者は犯人が分かった上で、(犯人の立場になって)成功への期待と、追われる事への不安を一緒に体験できるからでしょうね。
岡嶋二人は井上泉と徳山諄一によるコンビのペンネーム。名前の由来は「おかしな二人」だそうです。今は解散してしまった二人ですが、どういう役割分担でこの共作が完成して行ったのかという過程も、ミステリー同様に気になるところでもあります。