関東甲信越英語教育学会(1)

 行ってきました。懐かしの母校に。ぼくが通ってた頃は、あんな立派な建物はなかったなぁ。快適。

 何よりびっくりしたのは、スタッフとして参加していた学生の中に、初任校での教え子Nくんがいたこと。「恩師です」と紹介され、恥ずかしいやらうれしいやら。あの頃は、ただがむしゃらに「楽しく」授業をしたいと考えていました。それでも、彼が英語の道に進んだささやかなきっかけを作れたことに、これまたうれしくもあり、責任も感じてしまったり。いずれにしても、うれしい再会でした。

 いくつかの発表を拝聴。学会の発表というのは初めて見るので、結構ドキドキ。当たり前だけど、いわゆるサークルとはまた違った趣き。あくまでも数字や事実を突き詰めていく研究者たちの成果を、もっと現場の人間も知る努力をしないと、もったいないなぁと思いました。

 後半はシンポジウム。

 「教科調査官・菅正隆への惜別の辞」という、とても学会のシンポジウムとは思えない趣味なタイトル。大津先生(慶応大)、津田さん(研究社)、菅先生(大阪樟蔭女子大)の3名を、久保野先生(神奈川大学)が茶化しながら進行するという楽しいスタイル。

 菅先生の尽力で「360°外交により、いろんな人の意見を聞き、軟着陸させた」という小学校英語に対する激しい応酬。大津先生は、いつもの感じ。それにしても「ことばへの気づき」を謳う人が、ああやってことばを弄ぶというか、少しいじわるな使い方をすることに、個人的にはいつも違和感を覚えます。言っていることは面白いので、「言い方」と「言う場所」をもっと工夫すればいいのになぁ。

 菅先生は、2年前に講演を聞いたときも、英語ノートを見たときも感じた「なんか、気を遣いすぎじゃないか」という感覚がそのままフラッシュバック。もっと教科調査官が「日本の英語教育像」を語ってもよかったのではないか。だって菅正隆をもってして、日本の英語教育行政にてリーダーシップを発揮できないとすると、誰を送り込めばいいというのだということになるでしょう。なんか、官僚と政治家の闘いを思い浮かべてしまいます。

 もっとも、菅正隆という「劇薬」を送り込んだ時に、我々がもっとそこを通して「内部」と対話するような機会を設定してこなかったことにも原因があるのでしょう。帰りの電車でそんな話をしてました。

 そうそう、フロアの聴衆から質問を集めて、登壇者が応えてくれるという時間がありましたが、隣で一緒にお話を聞かせていただいたpannierさんと私の質問が採用されたので、2人で小躍りしてました。大人数でやっている企画であっても、ああいう「つながり」って大切ですね。授業の中でも仕掛けていきたいものです。

 23日はワークショップです。がんばってきます。