SETC&ASTEK10月のご報告

 どうも体調がすぐれないです。みんなに「インフルインフル」と呼ばれましたが、発熱もなく、たぶん先週の無理がたたったんだと思います。もう若くはないのですね。しょんぼり。

 さて、おかげさまで今月のSETC&ASTEKも無事終了。いつもとは少し違う展開でしたが、充実した会になりました。

 まずは、近況報告というか、豊かな雑談。ブログやTwitterなどの新しいコミュニケーションツールとそれをめぐるコミュニケーションの仕組みについて。中学生の「リアル」の使い方なんかも話題に。簡単に「初期化」できないもんなんですけどね、人間関係は。

 前半はI井先生から「緑の風のシンポジウム」についてご紹介。幼小中高大の英語教育に関わる地域の人々を集めてシンポジウムを開くという興味深い取り組み。学校のある地元地域の人材で集まれたことが、なにより価値があることに思います。英語教育に限らずに、生徒のキャリア教育にそういった地域リソースを活用していくことへの布石となっているようです。ご興味のある方は、10月30日〜11月3日にさいたまスーパーアリーナでおこなわれる「まなびぴあ2009」にて、緑中の展示ブース(C-35)をご覧ください。(中学校での出展は唯一のようです!)

 後半はT田先生による、「スピーキングテスト」のプレゼンの予定でしたが、参加者のほとんどがすでにテストについてよくご存じの方々だったので、少し趣旨を変えて「スピーキングテストの在り方」について幅広く、自由に、豊かな雑談。

 個人的に気になったのは、「話せるけど書けないという生徒は多いけど、書けるけど話せないという生徒だって一定割合いるんじゃないか」という疑問。もちろん、個人の特性もありますが、特に2・3年生では書くことによって、視覚的に文法事項や表現する内容を整理していることが多いので、文字を介さないとなかなか表現できなかったりするんじゃないか、とも思うのです。要するに、そういうトレーニングをしていない。学年や習熟度別のそういったデータって、あるのかなぁ。気になるところです。

 それから、表現テストにおける「絵」の功罪について。絵があることでかえって混乱させてしまったという昨年の反省もありましたが、先日pannierさんが書かれていた「関係代名詞の導入に絵は必要ないんじゃないか」というK先生のお話もここでつながってきました。絵がないことで、口頭で説明する必然性がうまれる場面もありますよね。カレーパンを知らないALTにカレーパンを一生懸命説明する、なんてすごくオーセンティックですよね。絵が万能でないことを改めて確認し、逆に絵が効果的に使える方法はないのかと考えてみました。

 英検の2次試験なんかもそうだけど、どうしても表現テストではPicture Describingをやらせがちですけど、じゃあ授業でどれだけそういう活動をさせているんだろうか。こちらとしては現在進行形やThere is/areだけじゃなくて、形容詞なんかを豊かに使わせたいとは思うんだけど、形容詞の使い方などは日本語的なものとの区別が難しかったりして、やっぱり混乱している生徒が多いように思います。

 「英語力とは単語力だ」というのは海外滞在経験が豊富な先生方のコメントから、状況や行動をDescribingさせるだけでなく、もっとシンプルに「絵を使った単語テスト」なんてのもやってみたいなと思いました。スペリングコンテストではなく、例えば次々と画面に出てくる絵が表す単語を発音していって1分間でいくつ言えるか、なんてテスト。絵が50個くらい載ってて、指さしながらいくつ英語で言えるか、なんてのでもいいと思います。そんな実践やデータって、どっかにあるのかな。

 発音する→読む→話す、と段階的にステップアップしていく中で、本当に生徒の力を測定するテストの作り方って、難しいなぁと改めて実感。埼玉県中英研で作っている学力調査問題(スピーキングテスト付き)が、そいういう模索の中にあって、少しでもお役に立てれば幸いです。というか、ぜひ学力調査にご参加ください。>埼玉県の中学校の先生方

 頭をフル回転に活用したサークルでした。ご参会のみなさま、どうもありがとうございました。

 追伸

 T田先生、サークルで話題にしたリスニングの本はこちらです。コピー使用可、CD付きのなかなかオススメな教材です。

中学生のためのListening Adventures

中学生のためのListening Adventures

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現在、取り扱いしていないみたいです。残念。