単語テストは漢字テストと同じくらいの難易度と言えるのか?

 あっという間に5月も最終日。思えば修学旅行に行ってたのも今月だったんだけど、遥か昔の出来事に感じます。それくらい濃い1ヶ月でした。

 そんなわけですっかり消耗しきってて、今日なんかはコンディション劣悪だったんですけど、代わりに係の生徒がみんなに声かけてくれたり、気を遣って動いてくれたりもしていたんで、ああ、教員の仕事は叫んでやらせるばかりじゃないよなぁと改めて実感。まだまだ辛いので、明日も生徒を頼りにしてみます。

 さて、今日は学校全体で取り組む基礎基本定着のための「検定試験」の日。国数英の3教科で、年に2回、範囲を決めて練習やテストを実施していますが、今日は英語科のテストの日でした。国語科では「漢字テスト」を、数学科では「計算テスト」をやってますけど、そうなると英語科では「単語テスト」をやるのが当然な空気。でもちょっと待って。漢字テストと単語テストって、ホントに横並びできるものなんですかね。

 だって、漢字テストでは、

「こくさい」→「国際」

のように、シンプルに「読み方」を「漢字」にすればいいのに対し、単語テストでは、

「国際」(日本語:文字)→「インターナショナル」(英語:音)→international(英語:文字)

と、頭の中で二段階の「変換」が求められています。英語の方が第二言語なのにハードルが高いっておかしくないですか?

 2つを同等にするためには、例えば漢字テストの出題方法を、

「いくつかの国にかかわっていること」→「こくさい」→「国際」

みたいにクイズのようにするか、単語テストを

「インターナショナル」→「international」

のように読み方を提示した上で正しく綴れるかだけをを求めるテストにするべきでしょう。

 とはいえ、テストにカタカナで読み方を書くのもどうかと思うし、そもそもどのくらい実際の音に近づけてカタカナ表記するかという問題も発生するので、現実的ではない。となると、あとは放送で読み上げられた語を綴る、という形式しかないですかね。いわゆるディクテーション形式です。これなら、聞いた音を正しく文字化できるか、ということだけに焦点を当てられるので、漢字テストと同レベルと言えそうです。

 ということで、今回本校の英語科ではいわゆる単語テストではなく、「ディクテーション形式」でテストを実施してみました。しかも、「語」レベルではなく、「文」レベルで書かせるテストにしました。

 読み上げた英文を何文か書き取らせて、書けた単語数が点数になる仕組みです。ちょうど合計50語になるように英文を選んだので、実際には3年生で8文程度、1年生だと(1文が短いので)14文くらい。英文は3回繰り返し、それぞれの間には8秒間ブランクを入れました。純粋な意味での聞き取りのテストではないので、対象となる英文は予め知らせておき、自力で書けるように練習をさせておきました。放送をキューとして、自分で再生できればOKというわけです。

 いわゆる単語テストだと、50個(あるいは100個のような大量の)の英単語のスペリングを覚えた達成感は一時的に味わえそうですが、その労力の割に、その努力が実際の「書く力」に転移していないように感じていました。もちろん、せっかく書けるようになった語彙をうまく使わせるような指導ができていなかった、ということでもありますが、もっと別の形で書く力の基礎を育てられないかと感じていたのも事実です。

 まだ採点を始めてはいませんが、ざっと見た範囲では結構書けている印象でした。生徒には「高校に行ったらあんまり板書とかしない先生もいるから、先生がちょっと口にした英文をさっとノートにメモできるような力が大切になるね」なんて話もよくしてるので、そういう意識も高まってきていると嬉しいです。

 意味を見てスペリングを書かせる単語テストにこだわらずに、いろいろな形で生徒の基礎・基本を養っていきたいです。