体育館で学ぶ英語授業の基礎基本

 中学校の部活に顔を出してきました。自分も専門ではないけど、今年初めてその競技を指導する先生に引き継いで学校を離れてるので、少しでもお役に立てればとお手伝いに。体育館、暑かった。蒸し風呂。

 で、今日はさらにゲストで近隣の強豪校を指導していた先生が来てくれてました。いろんな個人的経験から、正直この競技の「強豪校」の先生にはあまりいい印象を持ってなかったんだけど、こうやってうちのような強くない学校のことも気にかけてわざわざ面倒見にきてくれる、素晴らしい先生もいらっしゃるんだと感動。

 そして、実際にその指導を目にして、さらに目から鱗

 どんな秘密の練習法があるのかと思ったら、練習メニューは、ぼくがいつもやらせてたものとそれほど変わらない。ただ、決定的に違うのは、あるプレーをできなかった生徒に「できない」理由を明確に言葉と動きで示して、「できるまで」やり直しさせてあげていること。時間がかかっても、必ず「できた」という経験をさせてから、次の人のターンにすること。これは結構根気が要ります。

 そして、「練習のための練習」ではなく「試合のための練習」ということで、そのプレーの使用場面をイメージさせながらやること。だから前後のプレーが大事。そこだけできてもダメで、流れの中でできて初めて意味がある。でも流れを覚えるためには、動きが体に染みこむまで繰り返しやらせて、「自動化」させること。

 あれ? これって、両方とも靜先生に日頃言われてることじゃん。

 結局、力をつけさせてあげるためのプロセスは同じなんですね。まぁ、わかってはいたことですが、今日「プロ」の指導の様子を見て、改めて考えさせられました。そして、自分は英語教師として「プロ」なのかなぁ、と。

 「すぐに問題点を指摘できるプロとしての目・耳」と「できるまでやらせる根気」

 よき指導者・トレーナーに共通しているのは、この2つ。「部活動」のアナロジーは、中嶋先生もよく使ってらっしゃいました。でも個人的に「自分で選んで入った部活」と「選べない必修の授業」では、参加者(学習者)のレディネスが違うだろう、となんとなく距離をとっていた部分があります。

 もちろん、ノリや芸風はその教師の持ち味でいいでしょう。部活だっていろんな雰囲気がありますから。でも、どんなスタイルで授業をするにしても、少なくとも「技術指導」するためには、その2つが教師に身についてなかったら何もできません。はじめてそのスポーツを指導する部活動顧問なら大目に見てもらえるだろうけど、まさか英語の授業で「外部コーチ」を雇うわけにいかないですから。ALTは基本的には「コーチ」というより、プロの「プレーヤー」でしょうから(もちろん、ちゃんとコーチングできるALTもいますけど…)、我々の指導技術がちゃんとしてないとね。

 これまでは「練習メニュー」にばかり目がいってました。そして、どう練習に取り組ませるか、までで意識が止まってました。授業でも、部活でも。

 その先に行かなくちゃなぁ。その先がお仕事なんだから。