教科書を読む→教科書で書く

 地区の授業研に参加してきました。

 授業者は地区の若手のホープ。しかもライティングを中心にすえた授業デザインということで、すごく楽しみにしていました。細々とライティング指導をテーマに修論を書いている身としては、中学校でもこういった舞台でライティング指導を取り上げてくださる先生が増えてきて嬉しい限りです。こればかりは「統合的」「総合的」という学習指導要領のお言葉のおかげかな?

 授業は帯で取り組む「3行ライティング」と、教科書の内容理解&音読→発展的なライティング活動という構成。生徒が静かに、でも一生懸命に文字を書き綴るという、声は出ていなくても「活気のある」授業でしたね。授業者としてはいろいろなタイプの、そして段々負荷のかかる音読をさせることで、教科書本文を頭に残して、そこに蓄積された英文を使って類似のお題について書くことをゴールにしていました。

 個人的にいいなぁと思ったのは、最後のライティングがある程度「模範解答」の示せるようなタスクであったこと。「教科書とは違う、でも似ているお題」にチャレンジさせていましたが、みんなが同じものをイメージして書いていたから、教師もゴールを示しやすい。「自己表現」というと、表現する対象物までフリーにしちゃう実践が多いけど、これくらいの枠組みで書かせるのがいいなぁと思いました。美術科だって、好きなモチーフで自由に描く前に、みんなで同じモデルを見てしっかりデッサンするような練習をさせますもんね。

 反対に気になったのは、たくさん音読練習をさせましたが、そこから一気に「じゃあ今度はこのお題で書いてみよう」と飛躍していたこと。個人的には、あいだに「音読で頭に残った英文を書いてみる」という作業があった方がスムーズかな、と思いました。みんな、音声の場合はすごくスモールステップで、パタンプラクティスも丁寧にやるんだけど、文字になると、その段階を飛ばしちゃう人が多いように思います。(「カキトリン」なんかがそういう役割を果たせるかなぁと思います)

 とはいえ、ライティングを中心にした授業実践を多くの人と共有できたのは貴重です。いろんな取り組みが広がっていくとうれしいなぁと思います。

 さて、会終了後には期せずして先輩の先生がサークルのことをご紹介してくださいました。宣伝下手な私としてはありがたい限りです。毎月1回土曜日の午後に、春日部市中央公民館でサークルをやってますが、今月(26日)のテーマがちょうどライティング。今日の授業研でライティング指導にご興味を持たれた方や、今日の授業研に残念ながら来られなかった方にも、お越しいただけたら嬉しいです。詳細はこちら→「SETC&ASTEK 11月のご案内

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 みなさん、いい授業がしたくて、勉強がしたくて、情報を求めているんだなぁと感じました。このブログもサークルも、そう思っている方々に少しでも情報をシェアしあえる空間をご提供できればと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。