グルグルやカキトリンを指導案の評価項目上どう扱うか

 本日は支援担当訪問でした。

 自治体の教育委員会や地域の教育事務所が訪問に来る、アレです。私は3年生の授業を公開。グルグルとカキトリン、そして「英語で教科書を言おう」といういわゆるリプロダクション活動に取り組みました。

 指導案の中の「本時の展開」(の一部)はこんな感じ。

 導入なども含めた一時間の流れはこちら。
研修_支援担当2012_英語_指導案.pdf 直
 少人数指導をより効果的に運用するために、今年度は指導場面や評価場面によって「一斉指導」と「少人数指導」を適宜切り替える、というスタイルに取り組んでいます。リーディング(読解)やリスニング、また文法や語彙の指導は「一斉指導」で、スピーキングとライティングの指導では生徒を半分に分けて、「少人数指導」をする、という流れです。今回で言うと「グルグル」は絶対に少人数向きなので、半分の生徒に私がグルグルをやっている間、残りの半分は別室でもう一人の教師が「カキトリン」をやっている、ということです。複数教員で対応できる強みを最大限に生かします。

 その後、この活動で頭に(あるいは手に)しみ込んだ英文を使って、教科書の場面絵が印刷されたワークシートを指差しながら、お話を再生する「再話」あるいは「リプロダクション」に取り組みました。こだわりとしては、まず正確に英文が読める(言える)ようになってから、多少自由度の高い活動に挑戦させる流れになっていること。そして、「読む」ではなく「言う」活動であっても、「読む」のときにこだわった正しい読み方を意識しながら言うように指導していることです。とはいえ、まだまだ生徒は読むときと言うときで発音が全然変わっちゃう。今後の課題です。

 さて、指導案を書く上で、評価の観点としては、

(1)正しい強勢、イントネーション、区切りなどを用いて音読できる。(正確な音読)【外国語表現の能力】
(2)言語活動において、自ら学んだ表現などを使っている。(言語活動への取り組み)【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】

という2つを設定しました。

 (1)の方は「グルグル」で評価します。マルをもらえる数で目標を設定し、提示します。「音読」とはしていますが、実際には顔を上げて、文字を見ずに「言う」ことを求めています。そういえば、「言う」という技能は「読む」なのか「話す」なのか、曖昧ですね。とはいえ、その2つをつなぐものとして、価値ある技能だと個人的には思っています。

 (2)は「再話」活動で再生できた英文の数で評価しますが、カウントするのはペアの生徒になるので、生徒の発話の正確性は担保できません。よって、今回はあえて「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」の枠組みでの評価に位置づけてみました。もちろん教師がしっかりチェックしてあげられたり、録音してあとで確認できる、などの手立てがあれば「外国語表現の能力(正確な発話)」に位置づけてもよいものだと思います。

 本当は「カキトリン」も評価ポイントに入れたかったんですけど(というか、最初は指導案にも書いてみたんですけど)、国立教育政策研究所の評価資料なんかを見ても「正確な筆写」なんて評価項目は載っていない(笑)そして、筆写は「表現」なのか「言語文化」なのか曖昧。でも技能なんだから「表現」なんだろうなぁ、などいろいろ考えましたが、あまり評価項目が多すぎても煩雑なのでという言い訳の元、今回は評価ポイントには含めず。

 それにしても、「速く正確に書き写せる」というのは、書く力を支える大切な力のはずで、国立教育政策研究所がおこなった「書くこと」に関する調査でも「正確に書き写す」って問題を出題してたのに、同じ機関が作った評価に関する資料ではそれを「評価すべきこと」の例として挙げていない矛盾。うーむ。残念。

 Lesson 2では基本的にこの流れで授業をして、読める→言えるの訓練をしていこうと思っています。今日から教育実習生も来てますので、私が当面授業をできるのもあと数回。そのあとはしばらく実習生に委ねます。こちらの指導もがんばります。