2012年3月例会のご報告

 昨日は今年度最後の例会でした。

 今月の例会については、当ブログでご案内しておりませんでしたね。というのも、達人セミナーなどで人気講師として活躍する加須市騎西中学校(福島県双葉町立双葉中学校)の松本涼一先生をお呼びしてのワークショップということで、会場の都合もありメルマガ会員様のみへのご案内になりました。あしからず。(こういう月もありますので、定期的に当サークルの情報が欲しい方はぜひメルマガへのご登録を。→「メルマガ登録のご案内」)

 さて、期待していたとおり、本当に実りの多い会になりました。「生徒がやる気になる授業」ということで、語彙指導とライティング活動を中心にご紹介してくれました。松本先生の実践のキーワードは「楽しい」と「優しい」だと思います。

 脳にほどよい負荷をかけながら生徒に頭に(体に)英語を出し入れさせる仕掛けは、大人がやってみてもどれも「楽しい」ものばかり。楽しみながら繰り返し英語に触れる機会を提供できる素晴らしいアイディアでいっぱいでした。

 また、活動やワークシートをデザインする上で感じる生徒への「優しい」まなざし。とても親切設計なワークシート類は、知識そのものをspoonfeedしてしまうような学習者を甘やかすものではなく、一番大切な「知識や技能を得る作業」を学習者自身に体験させるための丁寧な(巧妙な)仕掛けになっています。学び方を教えて、自立(自律)した学習者を育てたいという先生の願いが伝わってきます。

 今月の参加者は10名。セミナーなどと違ってほどよい人数で、松本先生自身も「インタラクションが楽しめた」とおっしゃっていました。実際、質問や意見がどんどん飛び交う会になり、松本先生が用意してきてくださった内容が全部終わらない展開になりました。ということを口実に、この続きをまたぜひSETC&ASTEKでやってもらう約束を取り付けました(笑)今回いらっしゃれなかった方には朗報ですね。

 私としては、「自身の発表を見直す良い機会になった」という松本先生の言葉が一番嬉しかったです。全国のセミナー等で活躍する著名な先生ですが、非礼を承知であえて「講師」とは呼ばずにお招きしたのは、SETC&ASTEKが「発表者自身に一番学びがある会」であって欲しいと願っているからです。どんなにすごい先生でも「仲間」として接したいと思っています。実際、松本先生は縁あって今は「埼玉の英語教師仲間」ですし。

 会の中では、震災を巡る重い話もありました。そんな現実を適度に笑い飛ばしながら前向きに活動する先生の姿勢に本当に頭が下がります。今月は、そんな松本先生のお人柄に触れていただくだけでも、目的が達成できたかなと思っています。次回お話を伺えるのが本当に楽しみです。参加してくださった皆様、そして松本先生、本当にありがとうございました。