大切なことはすべて「文房具」が教えてくれた

 シンポでちょっとだけバレてしまいましたが、ぼくは文具が大好きです。なかでも鉛筆と万年筆が好きなんですが、これも今思えば松井先生の影響ですね。先生にブログで教えてもらったペリカーノという子ども向け万年筆を何本も持っています。実際、ぼくの筆箱の中には今3本のペリカーノが並んでいます(下の3本)

 取り出して並べるとこんな感じ。

 もともとこのペリカーノ・シリーズは、ドイツの子ども向けに開発されたもので、ペン軸の根元に指を当てる場所があって、そこに指を置くと自然に正しい持ち方になるというドイツにおける「かきかたえんぴつ」みたいな存在です。ですから1本1,000円ちょっとで手に入るし、デザインもすごくポップ。「万年筆」という大人な敷居をぐっと下げてくれる逸品です。

 とはいえ、さすがペリカン。書き味はなかなかです。というか、これで書くとちょっと字が上手くなったように感じるから不思議です。これも万年筆の、もしくはペリカーノの、魅力ですね。モノが与えてくれる、新しい体験。

 ちなみにキャップを取るとこんな感じですが、一番上の赤い太めのものは「ペリカーノ・ジュニア」というラインで、小学生などの低学年向き。Aという型番の入ったペン先はかなり太めです。一方で一番下の赤とシルバーのものは「ペリカーノ」と呼ばれるラインで、これは小学校高学年〜中学生くらいを想定しているのでしょうか、ペン先もペン軸も「ジュニア」に比べるとやや細めで、個人的にはちょうどいい感じです。ペン先は一応F(細字)になってます。

 で、これがすごく気に入ってて愛用していたんですが、いつの頃からかこれを店頭で見かけなくなってしまい、ちょっと気になってました。ライバルLAMYあたりと並んで「ジュニア」は結構売ってるんだけど、「ペリカーノ」は全然売っていない。え、まさか廃版なの? それは困る…。

 と、思っていたら、ひょんなことから某所で写真真ん中の水色のデザインのものを発見。ん?キャップには「ペリカーノ」って書いてある。すると、これが「ペリカーノ」の次世代モデルなのか? ちなみにペン先はM(中字)となってますが、限りなくジュニアのAに近い感じ。うーん、「ペリカーノ」の販売継続は嬉しいけど、やっぱり個人的には前のデザイン&ペン先の方がいいなぁ。どっかで見かけたら買いためておかなくちゃ(←でももう流通してなさそう)

 とりあえずジュニアだけは今でも流通してますんで、気になった方はぜひ一度お試しください。色もいろいろあります。

ペリカン 万年筆 A レッド ペリカーノJr 正規輸入品

ペリカン 万年筆 A レッド ペリカーノJr 正規輸入品

ペリカン ペリカーノJr - Pelikan Pelikano Junior - 本体:イエロー 万年筆

ペリカン ペリカーノJr - Pelikan Pelikano Junior - 本体:イエロー 万年筆

ペリカン 万年筆 A グリーン ペリカーノJr 正規輸入品

ペリカン 万年筆 A グリーン ペリカーノJr 正規輸入品

 さてシンポジウムおよび懇親会では、「ノート」の話題にもなりました。それは田地野先生プロデュースの「意味順ノート」に端を発しますが、松井先生も正しいハンド・ライティング指導のためのノート開発を訴えていて、ぼくはぼくで少し前にブログで書いたように、中学生向けの手帳を作ってみたいと考えていたりします。(→参照「中学生にも「手帳術」を」

 新しいコンセプトを持ったノートを作ることで、使う人の思考や体験をある方向に誘導できる、というのが面白いところで、どんなにもっともなお話をするより、現場にそれを促進する具体的な「モノ」がひとつあることで、その考えがより拡がっていく可能性があると思うんです。需要がなくちゃモノは売れないのも確かですが、モノが先行することで、新たな需要であったり新たなメソッドや思考法が拡がっていくこともあります。ぼくは「意味順ノート」を見ていて、そんなことを感じていました。
[rakuten:kenkocom:11186345:detail] 
 一見シンポのテーマとは関係ない趣味の世界の話のようにも見えますが、実は3人のシンポジストに共通する「書くこと」や「教えること」に関する面白い共通点だったりして、それこそライティング指導がブレイクスルーしていくためのヒントがそんなところに隠れているかも知れないなぁ、なんて考えてました。

 「よいモノ」というのは、最初は初心者のために作られるんだけど、そのシンプルさゆえにプロフェッショナルにも使ってもらえるものなんだろうなぁ。そういうモノを、いつか自分も作ってみたいです。