4技能を総合的に指導するための授業デザインシート

 4技能を「総合的に」「統合的に」指導するように、と言われていますが、言われなくたって、そうしたいとは思っています。でも自分の授業を改めて振り返ってみると、バランスよくやっているつもりでも、結構何かに偏っているものです。1授業の中の偏りは指導案などでも俯瞰することができますが、1レッスン単位、1学期単位で考えると、あまり冷静に分析をしたことがありませんでした。

 そこで最近Excelで自分の授業を記録し始めました。それが今回ご紹介するシートです。

 字が小さくて見えないので一部だけ拡大。

 1レッスンは横1列で考えます。活動の横に書いてある数字は時間(分)です。ちなみに通常50分授業ですが、挨拶とか諸々の時間を考慮して、45分で1コマを計算しています。

 活動ごと、スキルごとに費やした時間は縦に見ます。上部2段め、3段目に書いてある数字はその活動(あるいはそのスキルの指導)に何パーセントくらいかかっているのかを計算したものです。なので今の段階で、どのスキル指導にどれくらい偏ってるかが、ひと目でわかります。

 私の場合、6回目の授業を終えて、

表現の能力 43%
理解の能力 46%
知識・理解 11%

 となっています。受験直前にしては文法や語彙に特化した指導が少ないですね。まぁ今はあえて「訳読」をしていますので、「理解の能力」に位置づけられている「教科書本文」の中で結構文法の話をしているので、実際にはもう少し多いかと思います。

 もちろん、1レッスンを通して、あるいは1学期を通して、もっと言えば1年間を通してバランスよくできればいいわけですから、この6時間だけで数字を整える必要はありません。ただ、やりながら「こっちが最近足りないなぁ」なんて考えて、今後のプランを修正していくことはできるかと思います。

 そういう意味でこのシートは本来であれば、指導「記録」ではなく、指導「計画」づくりにこそ、使われるべきでしょう。私はとても近視的な使用をしていて、その週の具体的な指導を考えるのに使っていますが、本来学期の終わりの目標からバックワード・デザインで指導プランを組んでいくために活用するべきだと思います。

 一応「この時期にはこの活動を終えたい」なんて目算は書き込んでいます。(例:「卒業文集完成」) もっと「未来」に向けてこのシートを活用したいと思っていますが、まずは自分の偏りを知るために、地道に記録を取っていこうと思っています。今のところ、これとyPadの組み合わせが、個人的には最強の授業記録・デザインツールになっています。

 ただ合計数を出して、割合を計算するだけのExcelシートですが、ファイルをこちらに載せておきますので、ご興味のある方はお試しいただいて、フィードバックをいただけると嬉しいです。
授業計画_2012.xlsx 直
 蛇足。

 ちなみに「教科書本文」と「文法事項」のコラムだけ色付けしてあるのは、「今どこやってるの?」と訊かれた時に「Lesson7のSection A」とか「現在完了(経験)」みたいに、教科書のページと新出の文法事項を「進捗状況」の目安にすることが多いかなぁと思ったからです。目立たせる意味で色付けしておきました。