英語教師が鍛えるべき英語力

 大修館『英語教育』2014年増刊号に、ほんの少しですが登場しています。

 第1部の「英語教師が鍛えるべき英語力」という特集で、アンケートに回答いたしました。自由記述のコメントも載せて頂いています。想定する校種を念頭に、そこで働く英語教師に「現在備わっていると思われる力」と「課題と思われる力」を1位〜3位まで回答する、というアンケートです。

 選択肢として示されているのは、以下のとおり。

1.文法知識
2.語彙力
3.発音に関する能力
4.音読に関する能力
5.パラフレーズできる力
6.サマリーできる力
7.ライティング力
8.スモール・トーク
9.英語での質問力
10.即興でやりとりできる英語力
11.フィードバック力
12.英語での授業のマネジメント
13.読解力
14.リスニング力
15.その他

 みなさんだったら、どういう順番になりそうですか?

 私の回答の詳細は本誌を見ていただければと思いますが、全体の傾向を見ると、「読解とか文法はできるけど、話すの苦手でしょ」というのが大筋のようです。でも私の回答はちょっと違う感じですね。ざっくり言えば「英語で表現することには慣れてきたけど、その英語正しいの?」という感じ。(巻頭の座談会でも、そのへんの発話の正確さに対する言及がありますね。)

 そして課題の第3位には半ば掟破りの「その他」を選び、「テスティング力」を挙げました。私からすれば、なんでこれ選択肢に入ってないの?という感じなんですけど、よく考えたら今回は「英語力」という枠組みなので、こっちがズレてましたね。まぁ適切なテストマテリアルを作れる力という強引な解釈でお許しください。加えて、「何をどう問うか」ということから、結果の数字の取り扱いまで、しっかりと学ぶ機会がないままテストを作っている現状は、かなり危険じゃないかなと思います。残念なテストが再生産されている気がします。(そして残念なテストへの「対策」も再生産されてしまう…)

 自由記述コメントが「198字以内」という指定でしたので、限られた文字数でその意図を説明するのにすごく苦労しました。ちゃんと伝わっているか記事を見ても不安です。そういう意味では、本特集で数人の方が明らかに文字数をオーバーして欄外にまでコメントを継続しているのを見て、びっくりしました。それズルいでしょ。というか、編集者さんもそれを許しちゃダメでしょう。どうして「198字以内に削ってください!」って言えなかったのでしょうか。私は校正の段階で、助詞をひとつ変えたりして、少しでもニュアンスを正しく伝えようと努力したのになぁ。オーバーした人たちが使っていたスペースをみんなで分け合えば、私だってもう1文くらい書き足せたかもしれないのに、とも思うのです。

 なんてここで愚痴っていても仕方がないので、編集部さんにはちゃんとお伝えして、ご返答もいただきました。今後同じような企画があった時に、ご配慮いただけることを願います。

 こういうのを目の当たりにすると、英語教育雑誌が他にもあればいいのに、と感じます。今、大修館の『英語教育』が一誌で支えているものはあまりにも大きすぎるように思うのです。昔みたいに、もっとそれぞれのカラーを持った雑誌があれば面白いのですが、そもそも読み手が減っているからなくなってしまったのでしょうから、簡単ではありません。でもブログのように書き手を育てる媒体はいくつもある現代ですから、新しい形で表現の場が増えていくことを期待しています。

 あ、そういうことでブログ企画もまた10月1日更新でやりますよ。そちらもお楽しみに。