本を選ぶということ

 先日、某大型書店を訪れる機会がありました。

 そこは大型であるだけでなく、セクションごとにジャンルによって様々な本が集められていて、見ているだけでとても楽しい書店でした。久しぶりに読んでみたい本にたくさん出会えました。

 娯楽として読む本の場合はそこまでこだわりませんが、自分の中の知的な細胞を増やしたいという意味であれば個人的には人と同じ本を読んでても意味は無いと考えています。そういう意味では、どこの本屋でも同じような一般向けベストセラーばかり置いてある昨今では、このように多様な(マニアックな?)本が並んでいる書店はとても魅力的です。

 今私が関心を持っているのは「デザイン」や「仕組み」に関することです。それはアートとしてのデザインという意味と、仕組みや機能としてのものごとのデザインという両面からです。ものごとの仕組みや機能が、それに関わる人々の行動をある方向に導くことを考えると、我々教師のお仕事も、教室や授業という「ものごと」の工業デザイン的なものの考え方をもっと真剣に考えるべきだと思います。

 プリント1枚でも、作り方をちょっと変えるだけで、生徒のやる気も変わってくるかもしれません。紙質、フォント、余白スペース、表紙デザイン。教師が工夫できる点はたくさんあります。

 今はこんな本を読んでいます。面白いです。

本を読む人のための書体入門 (星海社新書)

本を読む人のための書体入門 (星海社新書)

 フォントの持つイメージや影響力を考えるだけで、本が一冊作れてしまうなんて、すごいなぁと思います。そして、活字に対して同じように感じている人がいることを知れただけでも、とても興奮する一冊です。今、とても楽しく読んでいます。

 インターネット経由でもこのようなニッチな本との出会いはたくさんあると思います。でもどちらかといえばAmazonによる「この本を読んだ人はこんな本も読んでいます」サジェスチョンより、Twitterやブログ経由で紹介された本の方がずっと気になったりします。まぁ、Amazonのサジェスチョン機能なんて、今でもよくこの本をぼくに勧めてくるくらいですからねぇ(笑)

 さて、そんなふうに影響力の強い人のフィルターを通すことを「キュレーション」といいますが、だれか自分の尊敬する人や影響を受けている人の目のフィルターを一度通ったものの方がひっかかるものは多いですね。

 セレクトショップとか「選書」というものの価値はこういうところにありますね。本来、「本屋さんで働く」ことの醍醐味だって当然そういうところにあるわけで、とはいえローカル線の駅前の本屋でマニアックな品揃えをしたところで売れないでしょうから、そういうことが可能になっている数少ない例が、こういった都内の大型の書店なのでしょう。

 また行ってみようと思います。新しい世界との出会いにも期待しています。備忘のため、気になった本もメモっておきます。

安西水丸 地球の細道

安西水丸 地球の細道

考えの整頓

考えの整頓

ミニ1959‐2000―世界標準となった英国の小型車

ミニ1959‐2000―世界標準となった英国の小型車

英国の鉄道員の制服 (制服・衣装ブックス)

英国の鉄道員の制服 (制服・衣装ブックス)

お絵かき辞典: 描きたい絵がスイスイ描ける

お絵かき辞典: 描きたい絵がスイスイ描ける

 う…、こうして見ると、マニアックですね…。ま、いっか。